(取材・文/大薮喬介)

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■サマーキャンプのお菓子代が100円!?

――優作騎手の時代と、違う行事はほかにありますか？

優作　全然違いますよ。見学が増えているよね。

松山　うん、工場見学とかはなかったね。

――一番楽しかった行事は何でした？

松若　サマーキャンプですね。

松山　あったあった。僕らのときはお菓子代100円だったんだよ。

松若　ええっ！

優作　松若のときはいくらだったの？

松若　制限はなかったです。

優作　マジで!?　いいなぁ。俺たちのときは、速脚で競走しろって言われて、その順位でお菓子代が決まったんだから。

松山　そうそう、1位の人だけが500円で。

優作　キャンターになったらアウトで、その時点で100円になるんだよね。

松若　えええっ!!　100円で何を買ったんですか？



松山　ふ菓子……とか(笑)。

優作　そっか、今は競馬学校のなかでもお菓子は自由だもんな。ゲームもできるんでしょ？

松若　時間制限はありますけど、できますね。

松山　僕らのふたつ下の期からそうなったんだよね。

優作　思い出した。3年のときに、トレセン研修から帰ってきたら、「1年坊がゲームしてる…」って驚いたよ。今は携帯もいいんでしょ？



松若　はい。18時から消灯までの1時間は大丈夫です。実質30分くらいは電話ができます。

松山　僕らは公衆電話で友達に電話してた。あとから聞いたんだけど、電話に出られなかったとき、着信履歴に「公衆電話」って残るでしょ。それを見た友達は、すごく申し訳ない気持ちになったって言ってたな。

優作　そうなんだ。俺は2回くらいしか電話したことがないからなぁ(笑)。

――外出はできるんですか？

松若　当番者と全休者があって、全休だと朝8時から18時くらいまで外出できます。だから、僕は生活していくうえでのストレスは全然なかったですね。アッという間の3年間でした。強いてあげれば、最初の半年間が長く感じたくらいで。

優作　そうそう、最初は長く感じるんだよね。「うわぁ。まだ半年しか経ってない…」って思った(笑)。でも、実習が始まったら、時間が経つのが早いんだよね。

松若　僕もそうでした！

――松若騎手はサマーキャンプが一番楽しかったそうですが、松山騎手と国分騎手もサマーキャンプが一番でした？

松山　うーん、楽しい行事なんてあったっけ？

優作　山に行って、カレー作ったよね。それと、便所コオロギがハンパなくいた(笑)。

松山　優作が蚊の音マネをしたのを覚えてる！　あまりに似ているから、全員蚊がいると思って、全然寝られなかった(笑)。

優作　明け方まで、しつこくしたよね(笑)。あとは、山小屋が傾いていたせいか、本当の体重とはまったく違っていたんだよね。学校に戻ったら3キロも増えていた人がいて、体重を落とすのに苦労してた(笑)。

松若　僕は、体重を気にしたことがないんで。プラスマイナス500グラムを超えないという規則があったので、それは守っていましたけど。

松山　まあ、今となっては、いい思い出だよね。厳しくてよかったなって、今は思えるかな。学校のときよりも、デビューしてからのほうが厳しいでしょ？



松若　厳しいですね。

優作　学校とは違った厳しさなんだよね。

松若　はい。

松山　学校では守られていたんだなと思うよ。ジョッキーになったら、常に結果を求められるからね。

【次回のキシュトーークは？】
次回は松若騎手のデビュー戦と初勝利のレースを振り返ってもらいます。また「身長」のメリットについてが優作騎手と松山騎手が熱く(？)語ります！