飲みニケーションでつかんだ美味しい2頭/トレセン発秘話
◆“競馬好き厩舎人”からのとっておき情報
“宴会野郎”山村先輩がダービー連載のため、今週は私、飲んだくれ記者・藤井がピンチヒッター。日頃の“飲みニケーション”で培った情報を届けさせてもらうことになった。
さてダービーウイークともなれば、さぞかしトレセンもお祭り騒ぎ…と皆さんはお思いかもしれないが、現実はさにあらず。馬乗りは好きでもファン目線で競馬そのものが大好きという関係者は、実はそんなに多くない。自分の担当馬以外は、あまり興味がなく、たとえダービーであろうと「何が出てるんだっけ?」なんてケースも。そういう“職人タイプ”のジャッジは、どうしても主観的になりがちで、我々の求める馬券情報には、なかなか直結しない。
その点、ファンがそのまま関係者になったような“競馬好き厩舎人”は助かる。幅広くレースをチェックする視点は客観的だし、我々が何を求めているのかも承知している。加えて酒が飲めれば言うことなし。連れ立って2軒、3軒とハシゴをすれば、お友達だ。
新開厩舎の大岩伸也助手は、そんな一人。顔を合わせれば「先週は、いいレースでしたねぇ。で、今週のメーンは、どれを本命にするんです?」と絡んでくる競馬好きだ。飲んだくれ記者同様、お世辞にも酒グセがいいとは言えないが、日本酒、焼酎からワインまで、季節やさかなに合わせた自在の飲みっぷりは大したもの。スナックに行っても、たかじん追悼で当方がセレクトした「やっぱ好きやねん」に対し、すかさず「東京」をぶつけてくるあたり息が合う。「先輩の代わりに今週のコラムを任されてさ…」と振ると、あうんの呼吸で「大丈夫。任せてください」と返ってきた。
狙いは土曜東京12R(ダ1600メートル)。新開厩舎はタイセイローマン、ロジテールの2頭出しだが「どっちもいいんですよ。本当、同じところを使うのがもったいないくらいに」とまさかのダブル推し。「ローマンは2走前(14着)のようにもまれるとダメですが、前回(2着)みたいに外めをスムーズに上がっていければ力を出せる。状態も当時より確実にアップしてます。ロジテールは千四で500万勝ちしましたが、1000万ではちょっと忙しい。このクラスなら前走(3着)のように先行できる千六がピッタリですね。2頭とも前走は人気薄での好走ですけど、決してフロックではありませんよ」と胸を張った。
よっしゃ。ここは新開厩舎の2頭軸で勝負。首尾よく儲かった暁には、大岩クンに2軒目まではごちそうしてやることにする。
(美浦の飲んだくれ記者・藤井真俊)