◆手塚貴久師もニヤける楽しみな新馬とは!?
先週土曜(14日)東京5R(2歳新馬戦)の終了後。検量所へ取材に下りるなり、「山村さんがコラムで推すから逆に勝てないんじゃないかってね。大仲(キュウ舎スタッフの休憩所)で周りに散々脅かされたんですよ」との声が遠くからぶっ飛んできた。
目を向ければ、ホワイトエレガンスを担当する田村亮平助手。1着馬のコーナーで、満面の笑みを携えて担当馬の到着を待っている。彼とは本間忍キュウ舎の“攻め専”時代からの付き合い。
トレードマークのスキンヘッドに反し、気の優しいナイスガイであることは十分承知している。それでもだ。馬主ら関係者多数の面前で当欄を“デスノート”呼ばわりするとは、何とも不届き千万。戒めのため、今後も彼は当欄に登場させていく方針となった(むろん“殺す”ためでなく、デスノートにあらずを証明するため)。さあ覚悟せよ!
一方、その隣のカンカン場で「スムーズに走っていたら勝ってたなぁ」と嘆いたのが、2着デュアルメジャー(クビ差)を管理する手塚貴久調教師。とはいえその表情が微妙にうれしげ(?)だったと記しておく。なぜなら勝ちに等しい同馬の走りこそ今年の手塚キュウ舎の2歳馬のレベルを如実に示すものであるからだ。
実は2週前の美浦で、このデュアルメジャーを稽古でアッサリ打ち負かした馬がいる。それは今週の日曜(22日)函館(芝1200メートル)を予定するサフィロス(牡=父キンシャサノキセキ、母ダークサファイア)。もし稽古通りなら昨年マーガレットS(3歳オープン)を制した半姉ローガンサファイアばりの瞬発力を秘めるのは確か。帰り際に「来週が楽しみ」とニヤけた師の心境も理解できよう。
むろん当日は「(2歳王者)アジアエクスプレスにとって、2歳時からの成長が問われる」(手塚師)GIIIユニコーンS(東京ダ1600メートル)がキュウ舎最大の関心事だろうが…。当方の馬券上では、函館のメイクデビューがむしろメーンイベントになる。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)