“福島を待っていた”笹浪タイプの馬
2開催、延べ10週の東京開催が終了し、今週から東日本エリアの舞台は福島へ。いよいよ本格的なローカル開催がスタートする。「金がないから、もうローカル出張は勘弁してほしい」などと言っている他社の現場記者がいる一方で、待ってましたと“前がき”しているのは柴田政人厩舎の笹浪真志雄助手。週初めから「山村さん、いつ福島に行くんですか? また一緒にメシ食いましょうよ」と元気いっぱいの声が馬上から飛んでくる。
思い返せば1年前、福島のアナゴ料理屋で彼と一杯やったのだが、その週に担当馬ヒメサクラが見事に勝利。降級2戦目の同馬のVを狙う今年も、ゲン担ぎで“福島の夜”を共にしようとたくらんでいるのだろう。
むろんローカル開催の好き嫌いは人のみにあらず。例えば、土曜(5日)福島の1000万下・猪苗代特別(ダ1700メートル)に登録のあるトーセンハルカゼ。1600万下からの降級馬ながら、こちらは顔を曇らせるタイプ。
「トモのハマリが遅いので小回りの千七は正直忙しい。芝の長距離という手もありますが、道悪は空っ下手なのでこの時期は怖くて芝を使えない。いずれにせよこのシーズンは選択肢が極端に限られるんです」と鈴木崇弘助手は泣きの弁。馬券的には“福島を待っていた”笹浪タイプの馬とやはり付き合いたいものである。
その意味でのっけから外せないのは、土曜(5日)の2歳未勝利(芝1800メートル)にスタンバイするロジチャリスか。実戦を叩いて馬体は良化。加えて「初戦は勝ち馬(アヴニールマルシェ)の決め手に屈したが、3着には3馬身離したからね。今のウチの2歳の中では一番競馬が上手だし、小回りに替わるのは何ら心配ない。ここを勝って札幌2歳Sに照準を定めるつもり」と管理する国枝栄調教師の威勢もなかなか。ローカルの夜を楽しく過ごすためにも、人馬とも“福島好き”をどれだけ見つけられるか。これから4週間、それが宴会野郎の勝負のポイントである。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)