まだまだ続く『競馬の格言』の真偽。これまでとは一変、国分優作&恭介騎手の意見がバッチリ合います。さらに優作騎手の口から新格言が飛びだす!?(取材・文/大薮喬介)
ダート戦で優作騎手が芦毛馬に乗れば買い?
――次は『芝で強いものはダートも強い』という格言です。これについてはどう思いますか?
優作&恭介 それはないです!
――おお、意見が合いましたねぇ。
優作 それって、逆のほうが多いんじゃないですか?
恭介 でも、どうなんだろ。実際、オルフェーヴルはダートで走っていないから、走るか走らないか、わからないよね。実はものすごく強かったりして。
優作 難しいとは思うけど、脚元になんの不安もないなら、1回ぐらい試してもいいかもしれないよね。もしかしたら、ダートでとんでもなく走るかもしれないし。走らせてみないと、それは誰にもわからないんだから。
――アグネスデジタルのような芝でもダートでも走る馬は、どういったタイプなんでしょうか?
恭介 GIを勝つような馬に乗ったことがないので、なんとも言えないんですけど、アグネスデジタル産駒でいうと、脚捌きが硬い馬が多いですよね。あとはピッチ走法の馬は芝でもダートでも通用するとか?
優作 どうなんだろうね。クロフネはポテンシャルが違いすぎたから、ダートでも勝ったような気がするけど…。あっ、そういえば芦毛はダートを走るイメージがありますね。
優作「あっ、そういえば芦毛はダートを走るイメージがありますね」
――おっ、それは新格言ですか?
優作 あくまでもイメージなんですけど(笑)。
恭介 全然イメージないなぁ。
優作 うそぉ!? 俺は芦毛の馬でダートをよく勝っているんだけどなぁ。
2011〜2013年 国分優作騎手芦毛馬騎乗成績
恭介 ただ単に、俺がダートを走る芦毛馬に乗ったことがないだけなのかも(笑)。
――データで見ると、芝とダートはほぼ同じ成績です。『ダート戦で優作騎手が芦毛馬に乗れば買い』ってことかもしれないですね(笑)では、次にいきましょう。『重と不良は逃げ・先行馬を狙え』という格言はいかがですか?
2011〜2013年 芦毛馬の芝・ダート成績
恭介 それは乗っている側もそう思っていますね。
優作 う〜ん、それは芝とダートによって違うような気がします。ダートだったら、多少のハイペースでも前が残ったりしますけど、ペースに左右されやすい芝は先行馬が総崩れするときもありますから。
恭介 でも、意外とハイペースに持っていけない場合が多くない? 馬場が荒れていて、進んでいかないイメージがあるんだけど。だから、前が残っちゃうんじゃないかな。
優作 逆のこともいえるんじゃない? 重や不良が得意な馬はスムーズに進んでいくから、残るのかも。
恭介 ああ、そういう場合もあるかもね。
優作 そもそも重が得意な馬は、いつもは中団からの競馬でも、重のときはスッと前につけられたりするし。
恭介 確かに。重が苦手な馬は進んでいかないもんね。芝の短距離で、そういった馬に乗ったら、勝ち負けはちょっと難しいかなと思いますよ。
恭介「芝の短距離で、そういった馬に乗ったら、勝ち負けはちょっと難しいかなと思いますよ」
――稍重、重、不良で得意不得意は細かく分かれるものなんですか?
優作 それはありますね。とくにダートの場合は、不良でこその馬がいます。芝では少しスピードが足りないけど、ダートの不良馬場だと走る馬は結構いますよ。
恭介 え〜、でもさ。ダートの不良で走る馬は、芝でも走るんじゃないの?
優作 それが意外とダメなんだよね。芝だとついていけない場合が多いよ。
――ダートの不良を走るときはどのような感じなんですか?
恭介 コンクリートの上を走っている感じですね。
優作 そうそう。だから、スピードが必要になってくるんだよね。でも、芝にいくと、また別もので。
――では、逆はどうなんでしょうか。ダートの良馬場で好走している馬が、芝の重・不良で好走するってことはよくあることですか?
恭介 僕はそっちのほうが好走する可能性があると思いますね。
優作 芝の重・不良は時計がかかるので、ダートで走っている馬が好走することはあると思いますよ。ただ、重・不良の芝を狙って使うことはできないですからね。それに、ダートから芝に転向するときに、たまたまその日が重・不良で、もし好走してしまったら、芝に適性があるのかわからない場合があるので、僕からしたら「使った意味がないじゃん!」って思ってしまいます(笑)。
2011〜2013年 前走からの芝・ダート替わり成績
【次回のキシュトーークは?】
国分優作&恭介騎手の意見がようやく合い始めましたが、「巷の『競馬の格言』本当のところはどうなの?」もいよいよ次回が最終回。『長距離の逃げ馬、短距離の差し馬』など、時間の許す限り、格言の真偽を国分優作&恭介騎手に聞いていきます!