◆現行の番組編成の問題点
「除外が一番怖かったが、エントリーした馬が案外少なくて助かった。これなら不安なく仕上げられるよ」
今週日曜(17日)の札幌1000万下・白鳥大橋特別(ダ1000m)にクリスワールドをエントリーした武田厩舎の永田助手が、週明けの函館で安堵の笑みを見せた。それもそのはず。札幌計2開催で1000万条件のダート短距離戦はわずかこのひと鞍。もし除外なら出走プランを一から練り直す必要に迫られたからだ。
フルゲート12頭の同レースには、今年17頭が登録。レース間隔は、4節がボーダーとなっている。ただ、過去の傾向からすればこれは極めてまれなケース。かつて別のコラムで記したこともあるのだが、この舞台には例年30頭以上がエントリーし、10節あっても除外されることがしばしば。そのため出走馬の半数は近走500万を勝ち上がった馬、もしくは長期休養明けという非常にアンバランスな顔触れで施行されることが多い。
「もし、例年通りの登録数なら噴火湾特別(函館ダ1000メートル)で2、3着を分け合ったリベルタドーレスも揃って除外されてたんだよな。しかもお互い前走で1、2番人気の馬だよ。これってまずくないのか?」
永田助手の言葉は十分に納得できよう。レース間隔が中5週となる噴火湾特別経由馬は、必然的に権利がここで消滅。間違いなく馬券が売れる登録馬が真っ先にオミットされる…現行はその可能性を多分に残す番組編成といえるからだ。
「馬房の関係で馬は一度暑い栗東に戻って再度函館にUターン。そんなつらい思いをさせたぶん、何とかここで勝って馬と喜びを分かち合いたい」と永田助手。番組作りに一石を投じる意味でも、噴火湾特別好走馬の頑張りにここは期待してみたい。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)