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2014年上半期・小牧太の“喜怒哀楽”

  • 2014年08月19日(火) 18時00分
小牧太

ユーザーからの質問特集に答えた後には太が上半期を振り返ります


今回もユーザーからの質問特集です。「毎週のように斜行による制裁がありますが、馬をまっすぐに走らせるために一番重要な技術とは?」「馬の癖ではなく、騎手のせいで斜行してしまうことはある?」といった競馬に関するシビアな質問からスタート。そして最後は、本人が振り返る「2014年上半期・小牧太の“喜怒哀楽”」。
(取材・文/不破由妃子)


「喜怒哀楽」の「楽」は毎日や!

──今回もユーザーからの質問が中心ですが、まずは斜行についてです。「小さいものから大きなものまで、毎週のように斜行による制裁がありますが、馬を真っ直ぐに走らせるために一番大事な技術とはなんですか?」という質問です。

小牧 技術はなかなか口では言い表わせんけど、一番大事なのは、自分が気をつけておくことちゃうかな。技術はみんな持ってるんやから、あとはホンマに気をつけるだけ。この前、川田が騎乗停止になったときは、僕が被害馬に乗ってたんやけど、あれもほんの一瞬、フッと気を抜いたんちゃうかな。彼はめずらしいけどね。

──技術的に一番気をつけるべきことは?

小牧 まぁ、ヨレる馬はハミをしっかり噛ませてから叩くとか、あとはステッキの持ち替えとかいろいろあるにはあるけど、なんせ気をつければ避けられることが多いね。そのためには、まず馬の癖をしっかり覚えておかなアカンけど。それもこれもジョッキーの気持ちひとつ。僕も気をつけますわ。

──この質問の続きで、「馬の癖のせいなどではなく、騎手のせいで斜行してしまうこともあるんですか?」と。

小牧 あるある。無意識に寄って行ってしまったり。もちろん、意識的に寄せることもあるけどね。騎乗停止になるときは、だいたいジョッキーが気を抜いているときが大半やから。

──そもそも斜行は、気をつけてさえいれば防げるものなんですか?

小牧 うん。あんまり無理な動きをせんかったら大丈夫やろうね。あとはガッツリ追わなければブレへんやろうし。ただ、当然ながら、用心し過ぎると勝てへんからね。そこは難しいところで。まぁそういう癖のある馬は、それくらいの気持ちで乗ってちょうどいいのかもしれんけど。じゃないと騎乗停止になってしまうからね。

──馬を真っ直ぐに走らせることって、言葉で言うほど簡単ではないんですよね。

小牧 そうそう。たいていの馬は、放っておいたらどっちかに寄っていくからね。それを制御するのがジョッキーなんやけど、新馬とかはとくに馬が怖くて逃げたりするから。用心せなアカンわ。

──続いては、「『太論』の本を買いました。表紙(帯)にあった『小牧さんは絶対に馬のせいにしない』という福永さんの言葉が印象的でしたが、明らかに馬のせいで負けたときも、グッとこらえて自分のせいにするのですか?」という質問です。

小牧 僕のコメントで誰かが気分を害すようなことは言わないようにしてる。嘘をつくとかではないよ。レース後のコメントだけではなく、普段の人付き合いでもなんでもそうや。相手が気分を悪くせんように、なるべく楽しい会話ができるようにするでしょ? それと一緒。

──そういえば、人間関係を築くうえでのポリシーとして、「人を傷つけるようなことは絶対に言わない」と、以前にもおっしゃっていましたよね。では最後です。「2014年の上半期を対象に、小牧さんの喜怒哀楽を教えてください」というリクエストがきています。

小牧 嬉しかったことは…そうやなぁ、この半年は、ホントにひとつ勝つごとにうれしかったですね。プライベートでは、月・火とあちこち出掛けられたのもうれしかったな。なんせ、すごく充実してますわ。

──では、怒りを覚えたことは? 怒っている小牧さんは、あまり想像ができませんが…。

小牧 ん〜、ないなぁ。あ、そういえば、また原チャリを盗まれてん。半年で二台目やで。今回はすぐに犯人が捕まって、原チャリも戻ってきたんやけど、なんか事故ったみたいで動かんまま戻ってきた(笑)。怒りっていうより、めんどくさいわ〜。そういえば、原チャリを届けてくれた警察官が僕のことを知っているみたいで、最後に「頑張ってください!」って言われたわ(笑)。

小牧太

原チャリを届けてくれた警察官に「頑張ってください!」って言われたわ(笑)



──怒りエピソードも、最後にはなんだか微笑ましい感じで(笑)。続いては「哀」です。悲しい出来事はありましたか?

小牧 ないねぇ。ホンマに充実してるし、毎日が楽しいもん。喜怒哀楽の「楽」は毎日や。好き勝手してるから、「楽」ばっかりや(笑)。なかでも、競馬が終わった日にお酒を飲みながら、美味しいものを食べてるときが最高や!

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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