セイントメモリーは、昨年はこのオーバルスプリントまで破竹の勢いで5連勝。ダートグレードを制したことで、NARグランプリの4歳以上最優秀牡馬にも選ばれた。その後、らしくないレースが続いたのは、JBCスプリントでの遠征に加え強い相手と対戦しての疲れや反動があったのではないだろうか。しかし前走サンタアニタトロフィーは、早め2番手から直線で先頭に立って後続を寄せつけず、復活とも言える強い勝ち方だった。昨年同時期の強いセイントメモリーが戻ってきたといっていいのではないか。相手になるJRA勢には重賞勝ち馬が2頭のみ、それも地方のJpnIIIを1勝のみと相手にも恵まれた。
エーシンビートロンは、前走佐賀のサマーチャンピオンを5馬身差で逃げ切り、8歳にして重賞初挑戦での勝利となった。水の浮く不良馬場ですんなりハナを切ってというレースだったので、5馬身差は割り引く必要はあるが、オープンに上がって充実してきていることは確かのようだ。正直、セイントメモリーとどちらを本命にするか迷った。左回りは東京、中京で勝っているが、浦和の小回りコースになってどうだろう。内枠に入ったので、スタートさえ五分ならエーシンビートロンがハナを切るだろうが、おそらく直後をマークしていくセイントメモリーがどこから仕掛けるか、もしくは早めに突きに行くのか、そのあたりが勝負のポイントになりそうだ。
キョウエイアシュラは中団から末脚勝負のタイプだけに、直線の短い浦和でどうだろう。ただ今回の鞍上は戸崎騎手なので、仕掛けどころは熟知している。浦和コースなら、3コーナー手前からエーシンビートロンやセイントメモリーをとらえに行くかもしれない。
地元浦和の小久保智調教師は、ここまで南関東リーディングで2位に20勝ほどの差をつけて今年もトップを独走。8月後半には、スパーキングサマーC、アフター5スター賞と重賞を2週続けて制覇と絶好調。そのスパーキングサマーCでワンツーとなったのがトーセンアレス、ジョーメテオ。ここで地元のダートグレードを狙ってきた。トーセンアレスは、一昨年のこのレースでゴール前追い込んで差し切ったかという勢いで惜しくもアースサウンドにハナ差の2着。ジョーメテオは、昨年のこのレースでセイントメモリーにコンマ6秒差の3着。今年のJRA勢のメンバーなら十分勝負になる。
北海道スプリントCを制したアドマイヤサガスは、時計勝負となったクラスターCでは4着。地方でも、大井、門別、盛岡と、広いコースしか経験していないだけに、ここはひとつ試金石となりそう。
浦和は得意としているナイキマドリードだが、昨年のこのレースが7着、今年のさきたま杯が5着と、JRA勢が相手となると、かつての力を望むまではどうかと考え無印とした。
◎セイントメモリー
◯エーシンビートロン
▲キョウエイアシュラ
△ジョーメテオ
△アドマイヤサガス
△トーセンアレス