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東京盃

  • 2014年09月30日(火) 18時00分
 「地方競馬に吠える」のコラムにも書いたが、北海道スプリントCを勝ったアドマイヤサガス、クラスターCを勝ったサマリーズ、オーバルスプリントを勝ったキョウエイアシュラと、今年の6月以降に重賞を勝った好調馬が補欠のまま繰り上がれず、それでいて11頭立てと、頭数的にもやや寂しいものとなった。

 JRA勢で今年になってレースぶりが目立っているのがノーザンリバー。重賞のみ6戦してすべて4着以内という着順だけでなく、負けても着差は勝ち馬からはコンマ4秒差以内。地方のダートグレードは3戦して2勝2着1回。それも2着に負けたのは水の浮く不良馬場のかきつばた記念で、蛯名騎手は道中すべって競馬にならなかったという。それでもゴール前は伸びて惜しくもハナ差だった。さきたま杯も浦和の短い直線でよく差し切った。前走プロキオンS4着も58kgを背負ってのもので、56kgで勝ったベストウォーリアにコンマ2秒差なら評価を落とすことにはならない。さらに大井の1200mは、東京スプリントを勝った舞台。そのときから1kg重くなっただけの57kgなら期待できそうだ。

 連覇がかかるのがタイセイレジェンド。前走クラスターCは6着だったが、勝ち馬からそれほど離されているわけでもなく、休み明けで60kg背負ってのもの。昨年と同じ58kgなら力を発揮するだろう。初騎乗となる田辺騎手が外枠からどう乗るかも楽しみなところ。

 ドリームバレンチノは、昨年のJBCスプリントが初めてのダートにもかかわらず、M.デムーロ騎手が3コーナーからうまく内を突いて2着と好走。地方のダートは3戦して1勝2着2回と小回りコースでもこなす。ダート1200mは初めてだが、芝では1200mを中心に使われていたのだからマイナスになることはないだろう。

 シルクフォーチュンは2012年のカペラS以来勝ち星から遠ざかり、以降は3着が最高という成績。とはいえ大井の長い直線はこの馬の末脚を生かすのに十分。あっと言わせる場面はあるかもしれない。

 セイクリムズンは黒船賞を3連覇。その後も地方のダートグレードで好走を続けていたが、前走北海道スプリントCは5着と見せ場がつくれなかった。一時期ほどの勢いは薄れたように見える。

 地方勢ではサトノタイガーに期待。前走アフター5スター賞の勝ちタイムが、良馬場で1分10秒8。これは地方同士の重賞としてはかなり優秀。ノーザンリバーが勝った東京スプリントの勝ちタイム1分10秒7(良)とわずかコンマ1秒しか変わらないだけに、中央勢とも互角に戦える可能性はある。

◎ノーザンリバー
◯タイセイレジェンド
▲ドリームバレンチノ
△シルクフォーチュン
△セイクリムズン
△サトノタイガー

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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