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東京大賞典

  • 2014年12月28日(日) 15時00分


 中央馬6頭中5頭がGI(JpnIも含む)勝ち馬で、まさに今年のダートチャンピオンを決める一戦。もしコパノリッキーが勝てば今年GI・4勝となり、ダートGI勝利数では単独トップ。ホッコータルマエが勝てばGI・3勝でコパノリッキーと並ぶことになる。

 チャンピオンズCで、やっぱり強かったというレースを見せたホッコータルマエが本命。ドバイでの敗戦では精神的なダメージもあったようで、秋も筋肉痛で調整が遅れ、仕上がり途上で臨んだのがJBCクラシック。直線を向いたところでコパノリッキーに並びかける場面もあったが、さすがに最後までは息がもたずに4着。しかしそこをひと叩きしたことで、復活となったのがチャンピオンズCだった。大井2000mは、昨年帝王賞と東京大賞典を制している舞台。枠順的にもフルゲート16頭立ての6番枠なら、行こうと思えば行けるし、他馬の出方を見ながら控えることもできる。連覇の可能性は高いと見る。

 相手には、今回で東京大賞典5年連続出走となるワンダーアキュート。相手というより3連勝馬券の連軸ならむしろこちらかもしれない。2012年のJBCクラシック(川崎)でのGI初制覇以降、地方のダートグレードにはGIを中心に10回出走してすべて3着以内。中央では、今年はフェブラリーS6着、チャンピオンズC5着だが、ともに勝ち馬から0秒5差と崩れていない。明けて9歳になるがレースぶりからは衰えは感じられない。

 コパノリッキーは▲まで。JBCクラシックのようにマイペースに持ち込めれば強いレースをするが、チャンピオンズCのように出負けしたうえに馬群に包まれてしまうとまったくいいところがない。今回はホッコータルマエのひとつ外の7番枠から逃げるのかどうか。完全復活のホッコータルマエも、JBCクラシックのときのように楽には行かせないのではないか。

 一昨年のこのレースを勝ったのがローマンレジェンド。昨年の東京大賞典ではゲート内で暴れるアクシデントがあり、その後に骨折も判明して復帰に時間がかかった。チャンピオンズCでは直線でホッコータルマエに並びかけようかという場面があったが、最後に振り切られての3着。そのチャンピオンズCもエルムSから4カ月ぶりだっただけに、叩き2戦目の上積みがあればこわい存在だ。

 クリソライトも、日本テレビ盃での圧勝、JBCクラシック2着のレースぶりを見ると復活かと思われた。しかしチャンピオンズCはまったくレースにならず。ただそのチャンピオンズCを度外視すれば、ここでも勝負になっておかしくない。

 サミットストーンの浦和記念は、逃げていたエーシンモアオバーが早々と一杯になり、その直後を追走していて完全に行き場をなくすシーンがあった。直線ではすでにグランディオーソとトーセンアレスが馬体を併せて抜け出していて、しかし浦和の短い直線でよく差し切ったものと思う。ただ裏街道的な位置付けにある浦和記念からは、近年東京大賞典での活躍馬がほとんどいないのが気になるところ。

 ハッピースプリントは、残念ながら今回は見送った。ジャパンダートダービー2着以来の復帰戦となった勝島王冠は、水の浮く不良馬場に加え、前3頭が暴走気味にハナを争うという展開で、たしかに厳しいレースにはなったが、それにしても5着は負けすぎ。来年の活躍に期待したい。

◎ホッコータルマエ
○ワンダーアキュート
▲コパノリッキー
△ローマンレジェンド
△クリソライト
△サミットストーン

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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