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ハンデの重い馬を狙え!/中山金杯

  • 2015年01月02日(金) 18時00分
■中山金杯(G3・中山芝2000m)フルゲート17頭/出走17頭

【コース総論】中山芝2000m Cコース使用

・馬券の要所!

★枠番は意外にもおおむねフラットで、重視する必要なし
★多頭数でも非常に順当決着傾向が強く、大穴狙いは推奨できない
★先行脚質が優勢。勝つには4角5番手以内のポジションが望ましい


 きわめてクセの強い中山芝コースだが、この芝2000mは意外にも、その“クセ”が非常に弱いコース。有馬記念の直後だけに「中山芝=内枠有利」と思われるかもしれないが、内外差がそれほどないコースであるのは、上記データを見てもわかる通り。枠番を気にする必要は、それほどないコースといえる。

 ただし、枠番ではなく「回収率の低さ」は、かなり意識しておきたいファクター。16頭立て以上で行われたレースの回収率は、単勝45%、複勝54%というとんでもない低さ。つまり、それだけ順当決着傾向が強いということだ。10番人気以下馬はトータル[1-2-5-523]で連対率0.6%、複勝率1.5%と低調で、買う価値はほとんどない。

 脚質については、中山らしく先行有利。ただし、上級条件で逃げ馬の不振が目立つことから、好位勢をもっとも高く評価したい。差しも届くが、中団よりも後ろのポジションから勝ち負けに持ち込むのは、かなり厳しいコース。「好位からのチョイ差し」や「中団やや前からの差し」が、いちばん期待できるパターンである。

【レース総論】中山金杯(G3) 過去10年

・馬券の要所!

★コースデータよりも差し優勢で、4角7番手前後がもっとも高期待値
★1番人気馬の過信禁物。2〜3番人気のほうが期待値は格段に高い
★ハンデを「背負っている」馬のほうが強く、57キロ以上馬は特注
★関東のレースながら、強いのは関西馬。ひとケタ人気なら買い。


・注目出走パターン
 [絶好] 今回斤量増となる馬(連対率37.0%、複勝率48.1%)
 [買い] ひとケタ人気の関西馬(連対率22.0%、複勝率34.1%)
 [不振] 今回斤量減となる前走重賞出走組(0-1-3-25)
 [不振] 前走から斤量の増減がない馬(1-4-2-48)
 [全滅] 前走ディセンバーSで3番人気以下(0-0-0-20)

 コースデータよりもグッと波乱傾向が強まった印象で、1番人気の信頼度は連対率30.0%、複勝率50.0%と低め。しかし、2番人気〜4番人気あたりがそれを補ってあまりある強さを見せており「人気薄でのワンツー」といった決着までは考えづらい。高配当を狙うにしても、人気サイドからのヒモ紛れを前提とするのがベターだろう。

 あとは、コースデータよりも格段に差せているのも、押さえておきたいポイント。このあたりはペース次第だが、勝ち馬・3着以内馬ともに、差し脚質がもっとも多い。理想的なポジションは、中団のやや前である6番手〜8番手あたり。前走でもソコソコ速い上がりを使っていた差し馬であれば、なおさら「買い」といえそうだ。

 そして、いちばん重要なのが斤量の推移である。中山金杯は、前走と比較して斤量が「増えている馬」が非常に強く、トータル[7-3-3-14]で複勝率48.1%、複勝回収率120%と絶好調。それに対して、斤量据え置きの馬と斤量減の馬が、[3-7-7-113]で複勝率13.1%であるのと比較すれば、その優秀さは圧倒的だ。

【現在の馬場&血統総論】


・現在の馬場
 Aコース→Cコース替わり。内枠&先行有利な馬場となりそう。

・天候予測
 冷え込みは厳しいが天候は晴れ〜曇りの見込み。良馬場前提で。

・注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○、ゼンノロブロイ産駒△、シンボリクリスエス産駒△

 気をつけたいのが、ステイゴールド産駒とマンハッタンカフェ産駒の扱いだ。中山巧者の印象が強いステイゴールド産駒だが、当コースでの成績は「可もなく不可もなし」といった程度。ハーツクライ産駒やディープインパクト産駒のほうが好成績であり、過剰評価しないように注意していただきたい。

 そして、当コースで絶不調なのがマンハッタンカフェ産駒。今回ラブイズブーシェが人気を集めそうだが、その期待値の低さは表を見ての通りで、そのコース適性はきわめて低いと言わざるをえない。もちろん、適性ではなく能力で押し切れる可能性もあるわけだが、ここまで低調な成績に終わっている以上、データ的には大きく割り引いて考えたい。

★出走馬各論

 今年もじつに“らしい”メンツとなった、中山金杯。ハンデ戦らしく、もっとも重視したのは斤量というファクターだ。このレースを勝つうえで、「斤量57キロ以上」で「前走から斤量増」であるのが望ましいというのは、前述した通り。この両方を満たすのは、ユールシンギング、ラブリーデイ、ロゴタイプの3頭だけだ。

 筆頭評価は、トップハンデ58キロを背負うロゴタイプ。中山で一度も馬券圏内を外したことがないという適性の高さで、脚質的な安定感があるのも大きなプラス。鞍上もC.デムーロ騎乗と申し分なく、ここは久々の好走が期待できそうだ。できれば、1番人気ではなく2番人気〜3番人気あたりでお願いしたいものだ。

 二番手評価にラブリーデイで、三番手にメイショウナルトと、ここまではいずれも斤量57キロ以上馬。人気薄での一発は、四番手評価のデウスウルトに期待したい。こちらは「前走からの斤量増」で、前走上がり順位が3番手であるのもプラス材料。人気薄で2着に激走したチャレンジCと同様に、いい末脚を見せてもらいたい。

 ここまでが上位評価組で、以下はナカヤマナイト、ユールシンギング、マイネルミラノの3頭が押さえ評価。プラス評価となった項目が非常に少ないマイネルフロストや、マンハッタンカフェ産駒のラブイズブーシェ、バッドボーイなどは「消し」評価とする。組み合わせ次第では「大人のお年玉」クラスの配当も、十分狙えるはずである。

■京都金杯(G3・京都芝1600m外)フルゲート18頭/出走18頭

 昨年も述べたが、京都金杯は中山金杯とは対照的に「斤量を背負っている組」が不振なレース。過去10年、ハンデ57.5キロ以上馬は、トータル[0-2-2-13]で連対率11.8%と低調であり、勝ち馬は1頭も出ていない。ハンデ57キロの馬は5勝と絶好調なのだが、それよりも重い馬はヒモが妥当。つまり、グランデッツァの1着も「ない」と見たい。

 あとは、5番人気〜7番人気あたりの「中穴ゾーン」の妙味が非常に高いことや、7歳以上の高齢馬が[0-2-3-40]と不振であること、前走芝マイル戦好走組の強さなども、重視しておきたいポイント。データからの推奨馬は、エキストラエンド、シェルビー、アズマシャトル、フルーキー、グランデッツァ(2着〜3着候補)の5頭である。


■先週の勝負レース・馬券回顧



……有馬記念のジェンティルドンナって、ホントに買いづらかったと思う。3枠で力一杯勝負するところまでは、バッチリ合っていたというのに(血涙)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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