日曜中山・黒竹賞のスモークフリー抽選突破なら大勝負/トレセン発秘話
※スモークフリーは今週出走いたしません。当コラムは出走馬確定以前に執筆されました。
◆国枝調教師が見せた不満
2014年度のJRA賞受賞馬が6日、決定した。昨年は大半の部門が年末まで“白紙”のまま進行する激戦。一見無風と思われた短距離部門さえ、スノードラゴンを管理する高木調教師が「できればジャスタウェイに有馬記念を勝ってほしかった。これで4歳以上牡馬の部門に投票せず、短距離部門で投票する人が出るんじゃないでしょうか」と気をもんだほど。各受賞馬の関係者は例年以上の喜びをかみ締めていることだろう。
ただ、決して満足の表情を見せない人物も中にいる。最優秀2歳牡馬を受賞したダノンプラチナの国枝調教師だ。
「朝日杯FSを勝てば2歳牡馬(タイトル)は確定的。それだけに納得できないのは、そこまで重い一戦の出走馬がオートマチックな抽選で決まっていること。ダノンプラチナだって、あそこで非当選(当時は賞金900万円)なら、チャレンジ資格さえなかった。つまり、単なる運の良しあしでJRA賞が決まっていいのかって話。賞金に差のつかない2歳GIこそレーティングを導入すべき。それなら大多数の人間は納得するし、よりGIにふさわしいメンバーも揃うはず。抽選というシステムを永続的に採用するのは、JRAの手抜きとしかオレには思えない」
朝日杯のケースで言えば、500万勝ち当時の馬券売上割合(=ファンの支持率)の高い順に優先して出走させる形がベターと個人的には思うが、現行の決定方式に再考の余地があるのは確かだろう。
さて、宴会野郎が今週注目する“激戦区”は、フルゲート16頭に25頭が登録する日曜(11日)中山の3歳500万下・黒竹賞(ダ1800メートル)。サクセスブロッケンを筆頭にマコトスパルビエロ、ランフォルセら重賞V馬を近年輩出。出世レースだけあって、今年も好素材が揃った。中でも宴会野郎のレーティング最高値は…ディープインパクト産駒スモークフリーである。
「デビュー戦(東京ダ1600メートル)は着差(0秒2)以上に余裕のあるレース運び。馬っぷりやフットワークからも、相当に奥を感じるね。ダートに限らず芝でも可能性を秘めた馬だと思うよ」とは戸田調教師。それこそ抽選が“最大の敵”だろう。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)