---

今年、浦河〜日高町まで展示会を開催する種馬場は全部で8か所

　2月11日(水)より日高地区の種牡馬展示会が始まった。ここは数年、トップを切って実施していたダーレースタリオンが、今年は期間限定で予め申し込みのあった希望者のみに種牡馬を見学させる方式に変更されたため、浦河〜日高町まで展示会を開催する種馬場は全部で8か所である。

　まず11日は、新ひだか町静内のアロースタッドとレックススタッドが時間をずらしての合同開催であった。午前10時よりアロースタッド、11時30分よりレックススタッドというスケジュールだ。

　本来ならば、例年、この日程に合わせてJBBA静内種馬場でも展示会を行なうところだが、以前触れたように、今年は新種牡馬のケープブランコの到着が遅れたことにより、JBBAのみ翌週の開催に変更されている。

　10日に続き、11日も晴天に恵まれ、アロースタッドには約400人の関係者が集合した。今年、アロースタッドには、新種牡馬が一気に7頭も入厩し、さらに、再入厩となるタイキシャトルと、昨年、新冠町にてプライベートスタリオンとして繋養されていたスパロービートが今年新たに入厩することになったのを含めると、全部で9頭の新顔が加わったことになる。



　アロースタッドの展示スペースは厩舎と厩舎の間に設けられた円形のステージ。それをぐるりと取り囲むようにして、関係者が輪を作り、1頭ずつ引き出される種牡馬に熱い視線を送っていた。新種牡馬グランプリボスの展示の際には、同馬を管理していた矢作芳人調教師が来場し、マイクを通じて熱心にアピールする姿が見られた。

　展示が一通り終了した後は、繋養種牡馬の交配権利やグッズなどの当たる恒例の抽選会も実施された。

　その後、二十間道路を南に移動し、レックススタッドに場所を移して11時半より種牡馬展示会が始まった。冬季間の行事で、しかも昼食が近いこともあり、レックススタッドでは開催に先立って豚汁が振る舞われた。



　レックススタッドは、22頭中、18頭の種牡馬が展示された。新種牡馬はトーセンラー、パドトロワ、バーディバーディの3頭である。トーセンラーを管理していた藤原英昭調教師が展示会に合わせて来場し、集まった約400人の関係者の前でこの馬を巡る様々なエピソードを披露し、同馬の魅力をアピールすると、その日のうちに配合申し込みが満口となったらしい。

　ここは、ブリーダーズスタリオンと並んで、社台スタリオンから種牡馬が転厩してくる種馬場としても知られる。アドマイヤコジーン、ホワイトマズル、タニノギムレット、スペシャルウィークなどがそうした種牡馬だが、それぞれ元気な姿を見せていた。とりわけ、ホワイトマズルは今年25歳になるが、まだまだ元気で、昨年も62頭の繁殖牝馬に交配している。



　なお、今年、産駒の活躍によって種付け料が一気に100万円(受胎確認後)となったスクリーンヒーローは、蹄のアクシデント(砂のぼり)のため、展示が中止された。数日中に回復するとのことで、大事には至らないという。

　その翌日12日には、浦河のイーストスタッドにて展示会が開催された。このイーストスタッドが種馬場としては日高の東端に位置するが、今年は、一挙に3頭の新種牡馬(ダンカーク、クレスコグランド、トゥザグローリー)と2頭の新入厩馬(ディープスカイ、ストーミングホーム)が加わり、陣容を強化する積極策に出た。

　とりわけ新種牡馬のダンカークは、2013年の北米2歳新種牡馬チャンピオンサイアーとして高い評価を受け、早々にシンジケートが満口になるほどの人気を集めている。



　また、ダーレースタリオンから移動してきたダービー馬のディープスカイは、すでにここで繋養されているメイショウサムソンともども、生まれ故郷の浦河に“里帰り”して新たに再出発することになる。全14頭が約300人の関係者の前で展示された。

　近年、種牡馬地図は「西高東低」と言われてきたが、久々に有望な新種牡馬が導入されたとあって、この日のイーストスタッドは例年よりも人が多く、関係者の期待の大きさが見て取れた。

　この週の種牡馬展示会は社台スタリオンに始まり、イーストスタッドで終了した。幸いにも3日間ともほぼ晴天に恵まれ、順調に日程を消化できた。来週は、16日(月)から始まる後半の展示会(ビッグレッドファーム、優駿スタリオン、日高スタリオン、ブリーダーズスタリオン、JBBA静内種馬場)について書く。