皐月賞の優先出走権はないものの、勝てば出走が叶う重要な一戦。アンビシャス、アッシュゴールドら何が何でも賞金を掴みたい素質馬が揃った。ここを制して皐月賞に名乗りを上げるのはどの馬か。出走を予定している主な有力馬は以下の通り。
■3/28(土) 毎日杯(3歳・GIII・阪神芝1800m)
アンビシャス(牡3、栗東・音無秀孝厩舎)は新馬、千両賞を連勝して挑んだ共同通信杯で3着。3連勝で一気に重賞制覇とはいかなかったものの、初の遠征・距離延長でリアルスティールら強い相手に一旦は先頭に立つ場面を見せた。今回はそれよりは楽なメンバーとなるだけに、しっかりと勝ち星を手にして皐月賞に向かいたいところだろう。
アッシュゴールド(牡3、栗東・池江泰寿厩舎)は昨年のデイリー杯2歳Sで2着、今年緒戦のきさらぎ賞で3着と、このメンバーの中では上位の実績を挙げている。兄オルフェーヴルもきさらぎ賞3着から阪神で行われたスプリングSを制して一気に3冠馬まで駆け上がっており、こちらも同様の素質開花が期待される。
その他、取消明けも力あるシュヴァルグラン(牡3、栗東・友道康夫厩舎)、共同通信杯4着のミュゼエイリアン(牡3、美浦・黒岩陽一厩舎)、きさらぎ賞4着のグリュイエール(牡3、栗東・藤原英昭厩舎)、決め手上位のソールインパクト(牡3、美浦・戸田博文厩舎)・ナヴィオン(牡3、栗東・橋口弘次郎厩舎)などもタイトルを狙う。発走は15時35分。
【データ分析/過去10年】
人気(過去10回)…1番人気は[5-1-2-2]勝率50.0%、複勝率80.0%で単勝回収率・複勝回収率共に100%を超える好成績。1〜3番人気でも[8-3-6-13]複勝率56.7%、複勝回収率91%と水準以上で、4〜6番人気も[2-5-2-21]複勝率30.0%、複勝回収率87%と水準より高い複勝率を残す。7番人気以下の馬は[0-2-2-76]複勝率5.0%、複勝回収率49%と人気薄の台頭は多くはない。
前走馬場(過去10回)…前走でダートを走った馬[0-3-1-23]複勝率14.8%、複勝回収率153%の台頭が目立つ芝重賞としてはちょっと変わった傾向があり、単勝人気が7番人気以下の馬[0-2-2-76]で馬券圏内に入った4頭中3頭が前走ダートに該当する。ちなみに、該当する3頭(09年12番人気2着ゴールデンチケット、08年11番人気3着ミダースタッチ、06年11番人気2着インテレット)は、「過去に芝のレースで3着以内の実績がある」「前走のダートで上がり最速を記録」「(サンデーサイレンス系、芝リーディング上位種牡馬の産駒など)血統的に芝向きの可能性がある」の3条件の内、2つ以上を満たしており、それぞれの馬が芝で好走できる要素を持っていた。前走がダートの馬は人気になりにくい分期待値が高いので、積極的に狙いたい。
芝重賞実績(過去5回)…1〜3番人気に推された15頭で、重賞3着以内の実績がある馬は[4-0-1-2]勝率57.1%、複勝率71.4%と好成績だが、重賞実績がない人気馬は[0-3-1-4]勝率0.0%、複勝率50.0%とやや信頼に欠ける。近3年で、7番人気以下の人気薄で4着以内に入った13年9番人気4着テイエムイナズマ(2走前デイリー杯2歳S1着)、12年7番人気3着スピルバーグ(2走前の共同通信杯で同年ダービー馬の2着ディープブリランテに鼻差の3着)、12年8番人気4着フジマサエンペラー(前走東スポ杯2着)は重賞での好走実績があり、実績があるのに人気がない馬から狙うのも一つの手かもしれない。また実績がないのに人気になる馬には、13年2番人気5着コメットシーカー(前走新馬戦を勝ちあがったばかり)や10年1番人気5着ルーラーシップ(超良血、過去3走すべて単勝オッズ1倍台)など、実績よりも今後の期待による過剰人気のパターンが多くみられる。
◆アンビシャス
・一週前調教診断/井内利彰
芝1600mを連勝して、前走芝1800mが3着。クラシック路線に駒を進めるために、最低でも2着で賞金加算を狙っていたが、終わってみれば相手が悪かったということだろう。マイルでの連勝はいずれも上がり3Fが時計を要しており、前走は切れ負けしたというのが個人的な見方。
前走後も栗東に在厩しての調整なので、追い切り本数はしっかり。時計の出し始めも早いが、その内容が随分と軽い。正味、1週前追い切りの坂路4F53.2秒しかなく、この併せ馬ではレッドラヴィータになんとか先着したという程度。前走時の1週前追い切りではもっと動けていただけに、その点に不安は残る。
・血統診断/望田潤
インターンシップの全弟で