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　牝馬ながらきさらぎ賞を制してここに臨む、異例の存在ルージュバック。その強烈なレース内容から牝馬同士では敵なしの印象だが、今年は阪神JFの勝ち馬ショウナンアデラこそいないものの、キャットコイン、クイーンズリングといった無敗で臨んでくる馬、レッツゴードンキ、ココロノアイといったGI上位組も強く、全体レベルは相当高い。果たしてこれまでのレース同様、ルージュバックがワンサイドゲームで1冠目を奪取するのか、それとも待ったをかける馬がいるのか。出走を予定している主な有力馬は次の通り。

■4/12(日)　桜花賞(3歳・牝・GI・阪神芝1600m)

　ルージュバック(牝3、美浦・大竹正博厩舎)は3戦3勝の内容がすべて強烈で、同世代の牝馬が相手なら一枚抜けた存在と言って良いだろう。手先が軽く切れを身上としながらも、前走の様な力の要る馬場でも結果を出していて、正に死角という死角が見当たらない。当然勝ち負けに持ち込んでくるだろう。

　ココロノアイ(牝3、美浦・尾関知人厩舎)は重馬場の前走で完勝。ステイゴールド産駒でそういった馬場を得意としているが、時計勝負でも対応できそうなタイプ。実績があり、他馬が苦にするだけに道悪となった方が有利だろうが、いずれにせよ好勝負に持ち込めそうだ。

　レッツゴードンキ(牝3、栗東・梅田智之厩舎)は勝ち切れない競馬が続いているが、能力は世代でも屈指。前走は途中からハナに立つ格好となったが、あれが良いガス抜きになりそう。折り合いが付くようならまず大崩れしないだろう。

　キャットコイン(牝3、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)は細身で見栄えのしないタイプだが、決め手はここでも引けを取らない。3戦3勝は伊達ではなく、ここも上位争いは必至だろう。

　クイーンズリング(牝3、栗東・吉村圭司厩舎)は距離不足で内伸び馬場の前走も大外から豪快に差し切り。底を見せていないという部分ではルージュバックに対しても引けを取らない。前走で20キロ減っていたのは気掛かりだが、仕上がり次第ではここでも好勝負。

　その他、重馬場の前走でもしぶとく伸びたアンドリエッテ(牝3、栗東・牧田和弥厩舎)、良馬場なら巻き返しが濃厚のクルミナル(牝3、栗東・須貝尚介厩舎)、コンテッサトゥーレ(牝3、栗東・安田隆行厩舎)といったディープインパクト産駒も大きな差はない。発走は15時40分。

【データ分析】
人気(馬場改修後の過去8回)…1番人気は[3-2-0-3]勝率37.5%、複勝率62.5%と並の1番人気程度の成績。単勝オッズが1.4倍以内の飛びぬけた1番人気がここ8年で3頭もおり(14年1着ハープスター、09年1着ブエナビスタ、07年2着ウオッカ)、明らかな大本命馬がよく出走するレース。1〜5人気は[6-7-5-22]複勝率45.0%、複勝回収率95%と馬券圏内24頭の内18頭を占め、6〜9番人気が[1-0-1-30]複勝率6.3%、複勝回収率30%とやや不調だが、10番人気以下が[1-1-2-67]複勝率5.6%、複勝回収率96%と人気別ではそこまで大きな偏りはない。08年に3連単700万円がとびだしたことから大荒れする印象を受けやすいが、08年を例外とすれば人気馬で決まることが多い傾向のレースで、特に近4年の内3回は1〜5番人気が3着以内を占めている。

前走距離(馬場改修後の過去8回)…まず前走で今回の1600mより短い距離を走り、距離延長で臨む馬は[1-0-1-53]複勝率3.6%、複勝回収率25%とかなりの不振。3着以内に入った2頭はいずれも前走G2のフィリーズレビューで3着以内と不利なローテーションを覆せるだけの実績がある馬だった。次に距離短縮の馬を見てみると、[0-1-1-10]複勝率16.7%、複勝回収率45%と出走数自体多くはないが、3着以内の2頭はいずれも前走フラワーCを1着、当日は4番人気以内の人気馬としての出走であり、あまり良いローテーションであるとはいえない。そして前走から同距離で臨む馬が、[7-7-6-56]複勝率26.3%、複勝回収率127%と3着以内の大半を占めている。前走アネモネS組は[0-0-1-18]複勝率5.3%、複勝回収率22%と良くないが、特に阪神JFやチューリップ賞など同条件からの臨戦が人気馬でも人気薄でも好走している。

枠番(馬場改修後の過去8回)…馬場改修以前は内枠有利のコースと言われていたが、改修後は1〜3枠が[0-0-1-47]複勝率2.1%、複勝回収率10%とおもしろいくらいに来ていない。4〜8枠が[8-8-7-72]複勝率24.2%、複勝回収率116%と馬券圏内をほぼ独占し、人気馬・穴馬ともに走っている。8番人気以下の人気薄で1〜4枠に入った馬は[0-0-0-43]複勝率0.0%、5〜8枠の馬が[1-1-2-40]複勝率9.1%、複勝回収率155%と穴馬は外枠からしか出ていないので、人気薄を本命にする場合やヒモ荒れに期待する場合は外枠から選択するのがこのレースのセオリー。

◆ルージュバック
・一週前調教診断/井内利彰
　3連勝。しかも牝馬ながら、牡馬との混合戦で挙げたものなので、他馬の無敗馬とはその価値は少し違うといってよいだろう。特に前走は京都競馬場までの輸送をこなし、先行するレースで牡馬を一蹴。それ以来の中8週というローテーションが今回のパフォーマンスにどのように影響するか。
　調教だけ見ていると