同期対談も今回で最終回。真面目な競馬話をしつつ、最後にJRAのプロフィール写真のことで、藤懸ジョッキーが物申したいことがあるとか!?
(取材・文/大薮喬介)
藤懸騎手はアフロジョッキー?
――森ジョッキーとは初めてお会いしましたけど、背が高いですね。
森 ジョッキーにしては高いほうだと思います。JRAのプロフィールは169cmですが、今は171cmあります(笑)。
藤懸 プロフィールは不思議だよね、毎年健康診断をしているけど、身長と体重は変わらない(笑)。俺もプロフィールの体重は46.2kgだけど、今は50kgあるし(笑)。正直、写真も変えてほしい!
――ああ、藤懸騎手の写真は下から睨みつけているような感じですもんね。
藤懸 そうなんですよ、中京で撮っていただいた写真なんですけど、西日があたって、まぶしくて…。
森 実は俺、この前、撮り直してもらったんだ。
藤懸 え〜、聞いていないぞ!
森 広報の方が来てくださったことがあったじゃない? その時に候補写真の中にいいのがなかったんだけど、「それじゃあ、来週撮り直しましょうか」と言ってくれて(笑)。
藤懸 マジかぁ…、候補写真の中から、悩みに悩んで選んだのに…。撮り直すことはひと言も…。
――どんな写真を選んだんですか?
藤懸 髪型がボサボサの時です…。
――今は短いですよね?
藤懸 天然パーマなんで、伸ばすとアフロみたいになるんですよ。
森 アフロジョッキーだ(笑)。
藤懸 不評だったから、二度としないよ…。
藤懸ジョッキーが宣言“今年は森に勝ちます!”
――最後なんで、競馬の話をしましょうか(笑)。森ジョッキーは障害に騎乗されていますが、怖くはないんですか?
森 乗っている時は怖くないですね。どちらかというと、自分が乗っていない障害を観ている時のほうがヒヤヒヤします。「次の障害、飛べるかな…」というのが見えてしまうので。
藤懸 乗っているほうがいいんだ。
森 うん。自分が乗っているほうが、「この次はこうしよう」と動けるけど、ほかの人が乗っている場合は次の動作がわからないからね。
――障害のどこに魅力を感じるんですか?
森 平地も簡単ではないですが、障害は奥が深いんですよね。自分で馬を調教した馬と一緒にレースに出るので、やってきたことそのままレースに出ますし、レースで課題が見つかれば、今度の調教ではこうしてみようなど、馬と自分との成長を実感できるんです。とても、やりがいがあるんですよね。
藤懸 それ、わかるよ。俺も(平田厩舎に)所属しているから、自分で調教した馬で勝つとすごくうれしい。とくにずっとレースに乗っている馬で、「次はこうしてみよう」と思って、その通りに乗れて勝てたら、最高だよね。
――それがジョッキーの醍醐味ですよね。ちなみにですが、障害に向いている馬は、どんな馬なんですか?
藤懸 あっ、それは僕も興味がある。
森 障害を飛ぶ時は平地よりもさらに体を大きく使うので、体の使い方が上手で、腰の動きが滑らかな馬がいいですね。まぁ、そういった馬はたいてい平地でも走る馬なんですけど。
――障害レースは直線がダートだったり、芝だったりしますよね。馬によって向き不向きはあるんですか?
森 それはあります。芝がいい馬もいますし、ダートがいい馬もいます。平地で走った頃の適性と同じですよ。
――現段階で平地と障害だと、どちらが乗りやすいですか?
森 う〜ん、現時点では、より自分のイメージ通りに乗ることができるのは障害でしょうね。平地は枠順の有利不利もありますし、全馬がきっちりコーナーを回るので、ほとんどがタイトな競馬なんです。だから、一瞬の判断が着順を左右しますよね。それに比べると、障害の場合は長丁場ですし、平地に比べると縦長になりやすい。横の馬が邪魔だなと思っていても、ひとつの障害を飛んだ後に横の馬よりも前に出ていれば、いいポジションを取ることができますから。もちろん、平地もイメージ通りに乗れるように頑張っていくつもりです!
――藤懸ジョッキーは障害に乗らないんですか?
藤懸 僕は平地で頑張りたいと思います!
――藤懸ジョッキーといえば、「逃げ」「追い込み」で勝っているイメージがあります。
藤懸 減量のある頃はそうだったかもしれないですね(苦笑)。今は減量も取れましたし、同じ乗り方をしても勝てないので、レースの流れに乗って、少しでもいいポジションから競馬をしようと心がけています。まぁ、ほぼほぼ同期の菱田がたくさん勝っているので、負けないように頑張ります!
(取材後に3勝を挙げて、大活躍でした!)
――では、最後に自分のセールスポイントと、今年の目標をお願いします。
藤懸 “明るく元気に、競馬はパワフルに”が僕のセールスポイントですかね。目標は、後悔をしない“一鞍入魂”でレースに乗ることと、“勝てるレースをしっかり勝つ”こと。あとは、去年最後の週で森に勝ち星を抜かれたので、今年は絶対に勝ちます(笑)。
藤懸「去年最後の週で森に勝ち星を抜かれたので、今年は絶対に勝ちます(笑)」
森 見た目は大人しく見えるかもしれないんですけど、乗り物に乗ると気が強くなるんです。そういった強い気持ちで乗っているところを観ていただければなと思います。目標は今の自分の成績を踏まえた上で、平地と障害のそれぞれを10勝以上したいです。とくに障害に関しては10勝すればリーディングが見えてくるので、大きな目標です。あとは、いつも心がけているんですが、1頭、1頭の馬を大切に、いろいろと感じとりながら乗っていきたいです。それと、もうひとつ。競馬は馬主の方々や調教師の方々、それに厩務員の方々なども関わっていますので、常に入着賞金の出る8着以内に入れるように頑張りたいですね。
森「いつも心がけているんですが、1頭、1頭の馬を大切に、いろいろと感じとりながら乗っていきたいです」
【次回のキシュトーークU25は!?】
5月は、2年目の義英真ジョッキーの登場です。見た目は無口な青年ですが、実際は違った!? 19歳の薩摩隼人の素顔に迫ります!