世界に2つしかない(かもしれない)極めて貴重な鉄道線!?
きょう(16日)は京王杯スプリングカップ。言うまでもなく、東京競馬場への主要アクセス鉄道となっている京王電鉄の“冠競走”です。
JRAのホームページを見ていたら、「競馬場線開業60周年記念『京王線に乗って春の東京競馬場へ行こう!』キャンペーン」のお知らせが載っていました。東府中と府中競馬正門前の間を結ぶ京王競馬場線は1955年4月29日に開業。今年めでたく還暦を迎えたことになります。これを記念して、きょうから6月28日まで、京王線に記念のヘッドマークを付けたラッピング電車が走るそうです。“撮り鉄”(鉄道写真マニア)のみなさん、がんばっていい写真を撮ってくださいね。
実は今、それにちなんだわけではないのですが、競馬場の最寄り鉄道駅に関するあれこれを調査・研究中です。私はとりあえず“乗り鉄”の端くれ。それに、鉄道の歴史を辿ることにも多少の興味を持っています(これって“歴鉄”とでも言うのでしょうか?)。つい最近、“あること”に気がついたのがきっかけで、このマニアックな調査・研究を始めました。その“あること”については、近いうちに「週刊競馬ブック」誌上でご披露させていただきますので、今しばらくお待ちください(もったいぶってスミマセン!)。
で、京王競馬場線の話に戻ります。この線は、世界的に見ても非常に珍しい鉄道路線なのです。何が珍しいかと言うと、競馬場へのアクセスを主目的にした路線(駅だけでなく、わざわざそこまで線路が敷設されている)なのに、通年営業していること。そういう路線は他にはほとんどありません。
京王線のように、競馬場の最寄り駅が行き止まりの終点になっている競馬場支線は、イギリスのエプソムダウンズ(ダービーの開催地)、アメリカ・ニューヨークのベルモント、オーストラリア・メルボルンのフレミントン(メルボルンカップの開催地)にあります。また、かつてはオーストラリア・シドニーのワーウィックファームにもありました(10年以上前に廃止)。さらに、香港のシャティン競馬場には、本線から分かれて競馬場駅を通り、再び本線に合流する側線型の競馬場線が設けられています。
このうち、ベルモント、フレミントン、シャティンの競馬場線は、競馬開催日のみの営業です。エプソムダウンズには4コーナーの先にタッテナムコーナー駅、メインスタンドの北東方向にエプソムダウンズ駅という競馬場線の終着駅がありますが、通年営業しているのはタッテナムコーナー駅への路線だけ。エプソムダウンズ駅への路線は日曜運休となっています(エプソム競馬場には日曜開催がありません。イギリスならではでしょう?)。
つまり、京王競馬場線は世界に2つしかない(かもしれない)、極めて貴重な鉄道線なのです。そんなことを考えながら、今週もそこを走る電車を利用させていただきます。