今の京都は馬場状態が軽く、芝でGIを制した経験のあるアジアエクスプレスに注目したい。稍重馬場で行われたレパードSで圧勝しているように、軽いダートならこの馬のスピードが上位だろう。それに対して実績馬達がどんなレースを見せるのか。出走を予定している主な有力馬は次の通り。
■5/23(土) 平安S(4歳以上・GIII・京都ダ1900m)
アジアエクスプレス(牡4、美浦・手塚貴久厩舎)は芝のGI勝ちがあるように、軽いダートでのスピード勝負なら力上位。前走は馬場が重い阪神でクリノスターオーのパワーに屈したが、馬場の軽い京都なら押し切りは十分に可能。古馬重賞の初制覇が期待される。
インカンテーション(牡5、栗東・羽月友彦厩舎)は昨年末のチャンピオンズCで崩れたが、東海Sで巻き返してくると、フェブラリーSでも2着に入った。京都コースは2年連続みやこSで勝ち負けしているように相性が良く、ここは3つ目の重賞タイトル獲得のチャンスだろう。
その他、コース適性高いローマンレジェンド(牡7、栗東・藤原英昭厩舎)、昨年の雪辱を果たしたいナムラビクター(牡6、栗東・福島信晴厩舎)、昨年は12番人気でこのレースを制したクリノスターオー(牡5、栗東・高橋義忠厩舎)、重賞連勝と充実期を迎えたマイネルクロップ(牡5、栗東・飯田雄三厩舎)辺りも有力。発走は15時35分。
【データ分析】
人気(1800mで行われた年を含む過去10回)…1番人気は[1-4-1-4]勝率10.0%、複勝率60.0%と勝率は低いが複勝率は並程度。1〜5番人気は[6-7-6-31]複勝率38.0%、複勝回収率83%、6〜10番人気は[3-3-3-41]複勝率18.0%、複勝回収率91%と標準的なレベル。11番人気以下は[1-0-1-54]複勝率3.6%、複勝回収率43%とあまり期待はできないだろう。
所属(1800mで行われた年を含む過去10回)…美浦所属の馬と栗東所属の馬を比べてみると、関東馬は[1-0-2-32]複勝率8.6%、複勝回収率21%、関西馬は[9-10-8-92]複勝率22.7%、複勝回収率87%とそもそもの出走頭数の違いはあれど、関西馬が圧倒している。
前走レース(1900mで5月に行われた近2回)…前走がアンタレスSだった馬が[2-2-0-7]複勝率36.4%、複勝回収率277%と好成績で連対を独占している。特に連対の4頭のうち3頭は前走は7・8枠で外を回されていた馬。
◆アジアエクスプレス
・一週前調教診断/井内利彰
レパードSの後、骨折で戦線離脱したものの、今春に復帰。2走して勝ち負けを演じているあたり、復調といってよいだろう。追い切り内容もローテーションを考えると、きっちり本数をこなしているし、坂路とトラックを併用しており、全体的に気になるというところはない。
ただ、1週前追い切りでアルタイルを追走して遅れたことはやや不満。相手が馬なりだったし、このレベルの馬なら、せめて同入までは持ち込めたはず。過去に遅れたことがないという事実を考えると、少し遅い反動がここになって表面化する可能性は十分に考えられる。
・血統診断/望田潤
父ヘニーヒューズはキングズビショップS(米GI・ダ7F)などに勝ったStorm Cat系のスピード馬。日本では本馬やヘニーハウンドやケイアイレオーネなどの父として知られる。母父Running StagはCozzene産駒でゴントーロビン賞(仏GIII・芝2000m)とブルックリンH(米GII・ダ9F)に勝ち多芸なところをみせた。本馬の