今年の安田記念は好メンバーが集結。ダノンシャーク、リアルインパクトなどの実績馬やモーリス、ヴァンセンヌ、レッドアリオンなどの勢いのある馬が揃った。そして折り合いが付くようになったミッキーアイルも参戦。好メンバーで繰り広げられるハイレベルな一戦となりそうだ。出走を予定している主な有力馬は次の通り。
■6/7(日) 安田記念(3歳上・GI・東京芝1600m)
ミッキーアイル(牡4、栗東・音無秀孝厩舎)は以前からの課題だった折り合い面を強化。元々体型的にはマイル以上の方が合うタイプで、折り合いが付くようになったのは大きな収穫。スピードでは他馬を圧倒できるものを持っているだけに、ここでどんな走りができるのか楽しみだ。
モーリス(牡4、美浦・堀宣行厩舎)は転厩してから一気に素質が開花。前走のダービー卿CTでは前残りの馬場で後方から一気に差し切り、さらに後続を突き放した。実績面では今回のメンバーで見劣るが、ポテンシャルは非常に高く楽しみな存在。いきなりのGI挑戦でどれだけの競馬ができるのか注目が集まる。
ダノンシャーク(牡7、栗東・大久保龍志厩舎)は昨秋のマイルCSで初GI制覇。前走は距離が短く、休み明けでもあって敗れたが、得意の東京マイルで巻き返しが期待される。
その他、オーストラリアのGIを制したリアルインパクト(牡7、美浦・堀宣行厩舎)、マイラーズCを勝って勢いに乗るレッドアリオン(牡5、栗東・橋口弘次郎厩舎)、マイル戦では底を見せていないヴァンセンヌ(牡6、栗東・松永幹夫厩舎)、一叩きで良くなるだろうフィエロ(牡6、栗東・藤原英昭厩舎)辺りも好走圏内。発走は15時40分。
【データ分析】
人気(過去10回)…1番人気は[3-0-0-7]勝率30.0%、複勝率30.0%と不安定傾向。1〜3番人気の人気馬が[7-3-1-19]複勝率36.7%、複勝回収率76%、4〜6番人気が[0-3-2-25]複勝率16.7%、複勝回収率71%と標準程度の馬券率。7〜9番人気が[3-0-3-24]複勝率20.0%、複勝回収率119%とやや高めの回収率で10番人気以下が[0-4-4-81]複勝率9.0%、複勝回収率79%と、人気別では特に大きな偏りはない。
前走脚質(過去10回)…前走国内のレースで上がり3F2位以内を記録した馬の成績[6-4-4-32]複勝率30.4%、複勝回収率128%が好調。3位以下の馬[1-4-4-91]複勝率9.0%、複勝回収率63%を大きく引き離す。特に前走上がり3位以下の中でも単勝オッズ20倍以内と人気になった馬が[0-3-1-28]複勝率12.5%、複勝回収率40%とかなりの不調。人気馬の減点材料として使える。
前走距離(過去10回)…同距離のローテーションが[4-5-8-78]複勝率17.9%、複勝回収率105%とやや好調。距離短縮も[3-3-1-17]複勝率29.2%、複勝回収率102%と好調。距離延長組が[3-2-1-54]複勝率10.0%、複勝回収率44%と大きく下回っている。不振の距離延長組では、前走の着順が2着以下の場合が[1-1-1-44]複勝率6.4%、複勝回収率34%と前走を勝ってのローテーションでないと厳しい。買い条件としては、好調の距離短縮組で当日3番人気以内に推された馬が[2-2-0-0]勝率50.0%、連対率100.0%とパーフェクト連対。
◆モーリス
・一週前調教診断/井内利彰
転厩最初の若潮賞が2着に3馬身つける圧勝。ここまで3連勝だが、その調教すべてが馬なりで行われており、厩舎の調教スタイルと本馬の性質が見事に合致して、ここまでのパフォーマンスを出すことができているように思える。
この中間もそのスタイルに変化はない。3週前の南Wでは併せ馬で遅れてしまったが、その後の2週はリアルインパクトと併せて、追走して同入。極端に速い時計をマークしているわけではないが、中8週のローテーションでそこそこの追い切りを消化している。最終追い切りは単走でも併せ馬でも構わないが、やはり馬なりで済ませるような素軽い動きがベスト。
・血統診断/望田潤
メジロドーベルなどが出るメジロボサツにさかのぼる牝系で、母母メジロモントレーはAJCCなど重賞4勝。父スクリーンヒーローはJC勝ち馬で、2世代の産駒からグァンチャーレ、ミュゼエイリアン、ゴールドアクター、クライスマイルなどを出している。ダイナアクトレスの牝系譲りのスピードも伝えているのが成功の因だろう。本馬もスクリーンヒーロー×カーネギー(凱旋門賞馬)×メジロモントレーという字面は重厚な中距離馬だが