【栗東】
◆クリノカルカソンヌ(牡、父ワークフォース、母ユニバーサル、栗東・須貝尚介厩舎)
兄姉はJRA未勝利(6月6日時点)だが、祖母エリモエクセル(父ロドリゴデトリアーノ、母エリモファンタジー)は1998年オークスをはじめ、重賞4勝の名牝。母系はしっかりしているし、父は2010年凱旋門賞を制した新種牡馬。大物になって不思議ない要素は詰まっている。
5月29日にゴールドシップのゲート再審査に付き合ったが、その際「見事にゴールドシップを誘導してくれたよ」と須貝尚介調教師。画像がその日の調教後、輪乗りの様子だが、確かに2歳馬らしからぬ落ち着きと好馬体が相まって、新馬には見えない風格だった。6月4日の坂路では初めて目一杯の追い切り。手応えでは併せたレッドヴェルサスに見劣っていたが、4F53.6秒、1F12.6秒は時計が速いし、中身濃い追い切りとなった。このひと追いで気持ちが乗ってくることは間違いなく、デビュー予定の6月14日(日)東京芝1800mが本当に楽しみ。
◆シルヴィーボーテ(牝、父キングカメハメハ、母ナナヨーティアラ、栗東・松永昌博厩舎)
半兄メイショウライナー(父キングヘイロー)が1200mで1勝、1400mで3勝(計4勝)を挙げているように、短い距離のスピード勝負に強そうな母系。本馬についても「牧場でいいスピードを見せているみたい」(松永昌博調教師)ということで、入厩当初から期待の大きな馬だった。
ただ、5月27日のCWでは一杯に追って、ラスト1Fが14秒を要してしまう動き。これにはさすがに師も首を捻っていたが、岩田康誠騎手(レースでも騎乗予定)が跨った、6月3日の坂路では動きが一変。一杯になる3歳未勝利に馬なりで先着した。4F56.8秒は平凡な時計だが、ラスト1F13.2秒はなかなか。動きを見守った同師も「やっぱりいいね。これで来週のデビューが楽しみになった」とトーンも急上昇。6月13日(土)阪神芝1400mでデビュー予定。
◆ルミナスエレメント(牡、父ハービンジャー、母ルミナスポイント、栗東・安田隆行厩舎)
同厩舎で管理されている半兄ルミナスウイング(父クロフネ)はダートで4勝を挙げているし、近親には2009年日本ダービーを制したロジユニヴァース(父ネオユニヴァース、母アコースティクス)がいる血統。いろんなタイプを出す母系だが、本馬は「かなり行きたがるところがあるので、調教では馬の後ろにつけて、我慢することを覚えさせています」と安田隆行調教師。
ゲート試験合格後は坂路での追い切りが中心だが、2週続けて4F55秒台。この数字は遅く感じるかも知れないが、ルミナスウイングのデビュー前もこの時計と大差なかったので、レースに行けば、スピードの違いを見せてくれるのではないだろうか。6月14日(日)阪神芝1200mをM.デムーロ騎手でデビューする予定となっている。
◆ロイヤルクルーズ(牝、父ヴィクトワールピサ、母ロイヤルミント、栗東・坂口正則厩舎)
4月にはゲート試験に合格するも、一頓挫あって、調教を休む時期があったが「ようやく良くなってきたね」と坂口正則調教師。ちなみに父は2011年ドバイワールドカップを制した新種牡馬で、母系には菩提樹Sでタイキシャトルを破ったテンザンストーム(父Storm Cat、母Rythmical)がいる血統。
本馬は5月28日にCWで追い切られているが、3歳未勝利馬に先着して、6F82.1秒と好時計をマーク。翌週となる、6月3日にも同じ相手に先着しており、動きは追うごとに良くなっている。6月5日時点では「来週の追い切り次第」ということだったが、6月13日(土)阪神芝1400mのデビューも視野に入っているとのこと。
【美浦】
◆クードヴァン(牝、父ディープインパクト、母マイネヌーヴェル、美浦・鹿戸雄一厩舎)
ブライアンズタイム産駒の母はフラワーCを勝っており、その全弟にマイネルアワグラス(シリウスS)、マイネルチャールズ(弥生賞、京成杯)がいる。6月3日は芝で追い切られ、3頭併せの真ん中で軽快な動きを見せた。「雨が降っていたのを考慮して本馬場に入れたけど、まずまずの動き。小柄な牝馬で走りが軽いタイプ」と鹿戸調教師。6月14日、東京の芝1600m(牝馬)を予定している。
◆クードラパン(牝、父ダイワメジャー、母ルシルク、美浦・久保田貴士厩舎)
半兄にニュージーランドT2着、NHKマイルC5着のグランシルクがいる。「立ち上がったりして気性の激しさがあるけど、ここまで順調に来た。そこそこには動けているし、血統的にもマイル色が強いと思う」と久保田調教師。6月14日、東京の芝1600m(牝馬)を横山典弘騎手で予定している。
◆ミュゼモーゼス(牡、父ダイワメジャー、母チャールストンハーバー、美浦・大江原哲厩舎)
全兄にカレンブラックヒル(NHKマイルCなど重賞5勝)、半兄にレッドアルヴィス(ユニコーンS)がいる。2014年のセレクトセールに上場され、1億円の高値を付けた。5月に入ってから本格的な時計を出し始め、年長馬を相手にビシビシと乗り込まれている。「早くから入厩して十分に乗り込んできた。当初は3週目を考えていたけど、1週前にビシッと追って前倒しすることにした。素直そうな性格だし、距離はマイルから2000mぐらいまで対応できると思う。当然、血統的にも期待している」と大江原調教師。6月14日、東京の芝1800mを横山典弘騎手で予定している。
◆メジャーエンブレム(牝、父ダイワメジャー、母キャッチータイトル、美浦・田村康仁厩舎)
5勝した母も含め、この厩舎に馴染みの血統。全兄に現3勝のメジャープレゼンス、現2勝のメジャーステップがいる。6月3日にウッドチップコースで5F64秒台の好タイムをマークしており、気配の良さが目につく。「入厩後も至って順調。追い切りの動き通りなら初戦から勝ち負けになると思う」と田村調教師。6月14日、東京の芝1800mをルメール騎手で予定している。
◆リリカルホワイト(牝、父ダイワメジャー、母リリウム、美浦・相沢郁厩舎)
半姉にオークス3着のアイスフォーリスがいる。古馬相手の併せ馬でも互角以上の動きを見せている。「種馬が替わり、姉とはタイプが違う。ダイワメジャーの子で距離的にはマイル前後が良さそう」と相沢調教師。6月14日、東京の芝1600m(牝馬)を三浦騎手で予定している。