「今夏は黙って3歳馬買い」今週はこの馬だ/トレセン発秘話
◆「芝もダートもこの世代は層が厚いよ」
全休明け(火曜)のトレセン取材は、先週末の“反省会”から始まるのが常だ。今週はエプソムC(14日)で◎を打ったディサイファ(3着)の矢崎高志キュウ務員にまずあいさつ。ペースが落ち着いたことを当方が嘆くと「結果的に外枠もアダになったね。前に壁をつくれない分、無難な競馬をせざるを得なかったから」と矢崎さんも渋い顔。それでも「内容はエイシンヒカリやサトノアラジンにも一歩もヒケを取っていないから。次に期待」とキッパリ。実際、こういう言葉が次の馬券に生きてくるのだ。
一方、土曜(13日)の東京500万下で2着止まりだった3歳馬レレマーマ。こちらは直線のバランスを崩す走りが気になっていたが「馬場入り時の蹄跡を馬が気にして跳び上がってしまった。あの勢いなら差し切れたと(蛯名)マサヨシも悔しがっていた」と国枝栄調教師が解説。降級馬相手も素質は互角以上――。この見立ては間違っていなかったと安心させられた。
一方で「1番人気との組み合わせで馬連が20倍以上ですから。お互い責任は果たせたんじゃないですか」と優しい笑顔を見せたのは、先週末の当欄で推奨したブリリアント(土曜東京500万下・芝2400メートル=2着)の井垣祐太助手。ただ、ハッとさせられたのは、この後に続いた「勝ち馬(ポトマックリバー)もあんな強いとは思いませんでしたから」のひと言。
言われてみれば確かにそう。まともなら差し切っていたレレマーマ、同じく古馬と初対戦でワンランク違う走りを見せたポトマックリバー。先週末に際立ったのは現3歳の質の高さだ。今夏の馬券の宝庫はこの世代に眠っている…そんな予感が強く働いた瞬間だった。
思い返せばダービー終了時、前出の矢崎さんがこんな言葉をつぶやいた。
「今年はウチ(小島太)のキュウ舎も駒が揃っていたから、クラシックを楽しめると期待したんだけどね。結果はカスリもしない…芝もダートもこの世代は層が厚いよ」
ならば今週は、日曜(21日)東京・芦ノ湖特別(1000万下)のマッサビエル、GIIIユニコーンS除外で青梅特別(日曜東京=1000万下)に回ってくる3歳馬が狙い目か。転んでもただでは起きぬ宴会野郎。週初めの“反省会”を今週末こそしっかり生かす算段だ。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)