◆「前走でやっと競馬が分かってきた印象」
GIII札幌2歳Sの前哨戦、コスモス賞(15日=札幌芝1800メートル)には中央馬7頭に対し、6頭の道営馬がエントリー。計13頭の熱い戦いが繰り広げられるが…。実は特別指定競走となった1995年以降、道営馬が勝った例は皆無。そろそろ結果を出さないと、出走意義さえ疑われかねない流れになっている。
もっともJRAとすれば、交流をやめられない事情もあろう。もともと参戦馬が少ないレースで、ゴールドシップが勝った2011年はJRA所属馬がわずか3頭。道営馬の参戦なくしては、不成立となる可能性を毎年はらむからだ。2歳戦の番組編成を再考すべきなのかもしれない。
というわけで、今年もコスモス賞の注目は中央馬。欲を言えば札幌2歳Sまで視野を広げられる素材となるが、面白い馬が函館に2頭いる。一頭は函館の新馬戦(芝千八)を逃げ切ったグローリーミストだ。
「初戦はまだ本数も少なく、馬もできていなかった。それだけにハナを切れるとは思っていなかったし、そのまま押し切るとも思わなかった。展開に恵まれたにせよ、資質の高さがあればこそ」
驚きを交えて初陣をこう振り返るのは白鳥善人助手。当然、上積み幅も大きく、「緩かったトモもだいぶしっかりした。まだ自分からやめる幼さも残るが、先団でつつかれるような展開なら」とキッパリ。もう一頭の担当馬ソロル(エルムS出走)が今週の主役には違いないが、同馬にかける期待も大きい。
対してクロコスミアは3戦目での未勝利(芝千八)Vだが、「初陣(5着)は幼さ全開で、4角ではテレビ画面から消えたくらい(笑い)。前走でやっと競馬が分かってきた印象です」と北添裕哉助手が“これから”をアピール。
「尻上がりのラップを差し切った前走は着差以上のたくましさを感じたし、デビュー時は398キロだった体もいまでは410キロ。一戦ごとの成長も肌で感じてます」と父ステイゴールド譲りのタフさも口にした。
制するのは逃げるグローリーミストか、差すクロコスミアか。いずれにせよ、上昇度豊かな両馬に注目だ。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)