【栗東】
◆レッドディヴェル(牝、父ハービンジャー、母レッドディザイア、栗東・松永幹夫厩舎)
先週も当欄で紹介しているが、再び登場した理由は先週の新潟芝1600m牝馬限定戦を除外されたから。距離区分がいろいろある新潟の新馬戦はこのところ除外馬が続出しており、本馬が出馬投票したレースも7頭の除外が出た。しかし、これで優先出走権を得たため、予定されている8月29日(土)新潟芝1600mには優先的に出走できる。
松永幹夫厩舎は前々週のクレマンダルザスに続き、2週連続で新馬戦で除外。「こればっかりは」と松永幹夫調教師も苦笑いするしかなかったが、馬自体は「今朝(21日)もCWを乗りましたが、問題ないですね。スライドしますが、そのレースを使って、入厩からちょうど1ヶ月ですから」と体調面に対する大きな変化はない。
◆ブレイキングザロウ(牡、父ゴールドアリュール、母シーザバッドガール、栗東・友道康夫厩舎)
ネオユニヴァース産駒の半兄デモニオはデビューこそ京都芝2000mだったが、勝ち上がったのは京都ダート1800m。兄も管理する友道康夫調教師は「兄は芝でもやれると思いましたが、やっぱりダートでしたね。この馬はゴールドアリュールだから、間違いなくダート適性が高いと思います」と、7月に函館競馬場でゲート試験に合格した後は一旦放牧に出されて、デビュー戦の照準を8月29日(土)札幌ダート1700mに定めていた。
8月20日の函館Wでは、シュヴァルグランとの併せ馬。先行していたとはいえ、最後まで抜かれることなく同入。時計は5F67秒台でラスト1Fを12秒台にまとめており、見た目にも数字的にも優秀な内容。なお、鞍上はM.デムーロ騎手が予定されている。
◆タガノキングパワー(牡、父エンパイアメーカー、母タガノサムアップ、栗東・宮徹厩舎)
おじに2014年京都大賞典などを制しているラストインパクト、近親には1994年の三冠馬ナリタブライアンや1993年菊花賞などG1で3勝を挙げたビワハヤヒデなどがいる良血。
本馬は6月24日に宇治田原優駿Sから栗東へ入厩。最初は坂路で時計を出して乗り込まれ、ここ2週はCWでの追い切り。8月19日は新馬コンゴウノカガヤキを追走して、きっちり先着する動きを見せた。「思い描いた通りに良くなってきていますね。最終追い切りは坂路で予定していますが、たぶん4F52秒くらいは楽に出ると思います」と宮徹調教師。8月30日(日)小倉芝1800mを藤岡佑介騎手でデビューする予定。
◆マルカベッカム(牡、父ワークフォース、母ナショナルホリデー、栗東・羽月友彦厩舎)
近親に1998年ステイヤーズSを制したインターフラッグや2014年新潟2歳Sを制したミュゼスルタンがいる血統で、2014年セレクトセール1歳にて、3100万円で落札されている。
本馬は7月16日にグリーンウッドから栗東へ入厩しているが、毎週のようにCWで時計を出しており、8月19日は3歳未勝利を追走して大差で先着。6F79.8秒とこれまでで最も速い時計をマークした。羽月友彦調教師も「ダイナミックなフットワークが魅力。乗り込みも十分なので、初戦から力を出せるのでは」とコメント。デビュー戦は8月30日(日)小倉芝1800mを幸英明騎手で予定している。
【美浦】
◆アンナトルテ(牝、父エンパイアメーカー、母クーヴェルチュール、美浦・奥村武厩舎)
ブラックホーク産駒の母はキーンランドCの勝ち馬。奥村武調教師にとっては国枝栄厩舎の調教助手時代に携わっていた活躍馬の産駒として思い入れのある血統だ。当初は前開催の福島でデビューさせる予定だったが、軽い熱発があったために無理をせずに仕切り直した。「いいスピードがありそうだし、従順な性格で扱いやすい。両親の良さを兼ね備えているし、稽古での走り方なんかを見てもマイルぐらいまでは対応できそう」と奥村武調教師。8月30日、新潟の芝1200mを北村宏司騎手で予定している。
◆エディクト(牡、父キングカメハメハ、母サンクスノート、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
サクラバクシンオー産駒の母は京王杯SCの勝ち馬。その初仔となる。追い切りを開始した段階では体を上手に使い切れていないようなところもあったが、ひと追い毎に素質の片鱗を見せ始めた。8月12日にはウッドチップで5F65秒台の好時計をマークしており、ここに来ての良化度が目につく。「顔つきや体つきは母似だし、父のキンカメよりもサクラバクシンオーの方が強く出ている感じ。いい感じに動けているし、だいぶ息遣いの方も良くなってきた」と二ノ宮敬宇調教師。8月29日、新潟の芝1600mを田辺裕信騎手で予定している。
◆クリスタルスカル(牡、父ファルブラヴ、母ナスカ、美浦・高柳瑞樹厩舎)
半姉のアロマティコは通算6勝、秋華賞3着などの活躍馬。母の半兄インティライミは重賞3勝、ダービー2着や宝塚記念3着などの実績を残した。「550キロほどの大型馬でストライドが大きな走りをする。水準以上には動くし、いいところがありそう。本当に良くなるのは先だと思うけど、血統的にも楽しみ」と高柳瑞樹調教師。8月29日、新潟の芝1600mを北村宏司騎手で予定している。
◆ストライクショット(牝、父ファルブラヴ、母タイトルパート、美浦・加藤征弘厩舎)
昨年のセレクトセールにて2300万円(税抜)で落札された。母の半姉に通算5勝でオープン入りを果たしたキャッチータイトルがおり、近親には欧州の重賞ウイナーが並ぶ。ゲート試験に合格後は牧場で調整されて再入厩。仕上がりは順調に進んでいる。「女馬らしくないし、そこは母父のアグネスタキオンが出ている感じ。坂路を引っ張り切りの手応えで上がってくるし、デビュー前の2歳馬としては体力的にも抜けている」と加藤征弘調教師。8月29日、新潟の芝1600mを石川裕紀人騎手で予定している。