“神騎乗”モレイラに闘志燃やすM.デムーロ/トレセン発秘話
◆「着地した瞬間にはなぜかもう先頭に」
今週の札幌で開催されるワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)において、一番注目される外国人騎手といえばジョアン・モレイラだろう。その神がかり的な騎乗から“マジック・モレイラ”と呼ばれている。
「ダグラス・ホワイトがずっとリーディングを獲得していた香港で、その座を奪ったのがザカリー・パートンだったんだけど、モレイラはさらにその上をいって、シーズン最多勝記録を大幅に更新したんだ。ホントすごいジョッキーだよ」とは池江調教師。
今年3月、ドバイで行われたGII・UAEダービーでタップザットの騎乗をモレイラに託したトレーナー。結果は5着ながら、その騎乗ぶりにやはり“マジック”を見たという。
「ジャンプスタートする馬だとモレイラには伝えていて実際、レースでも立ち上がってスタートしてしまったんだけど…。出遅れるどころか、着地した瞬間にはなぜかもう先頭にいたんだ。まるで曲芸だと思ったよ」
シンガポール、香港で見せてきた数々のマジックを日本でも披露してくれるのか。WASJの最大の焦点になりそうだが、そんな注目騎手の参戦に誰よりも気合が入っているのがミルコ・デムーロだ。「日本で通年免許騎乗するまではモレイラとともに香港で騎乗していた」という当人。モレイラが勝ちまくるのとは対照的になかなか勝てずに苦汁をなめたとか。
「香港ではモレイラがずっと成績のいい馬に乗っている中、僕は人気のない馬ばかりに乗っていたからね。彼の騎乗スタイルは大好きだし、とても素晴らしいジョッキー。日本でまた一緒にレースに騎乗できることをうれしく思うし、ぜひとも香港の時のリベンジをしたいんだ」
モレイラのマジックも注目だが、ライバルの出場に誰よりも闘志を燃やすM.デムーロの騎乗ぶりも見逃せない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)