■菊花賞(G1・京都芝3000m外)フルゲート18頭/登録19頭
【コース総論】京都芝3000m外 Aコース使用
※今回は「京都芝2200m以上」の4コースを集計対象としています
・コースの要所!
★多頭数では勝ち馬の90%以上が7番人気以内。イメージ以上に人気馬優勢。
★内枠が圧倒的優勢でひとケタ馬番を狙うのがベター。外枠の扱いに注意。
★差せるが中団の位置は欲しい。4角11番手以下馬の複勝率はわずか3.7%。
現在は菊花賞と万葉Sでしか使用されていない、京都芝3000m外。レースデータとコースデータの差がほとんどなくなってしまうので、今回は「京都芝2200m以上」を対象としたコース分析を行っている。かなり大雑把なデータだが、すべて外回りであり、少なくとも参考にはなるはずだ。
16頭以上の多頭数における平均配当は、単勝1596円、馬連6574円、3連複2万7800円。目立っているのが単勝の高さだが、勝ち馬の90%以上が7番人気以内である。これはつまり、2〜7番人気が健闘しているということ。1番人気もフツーに強いが、傾向としては「中穴を1着で狙う馬券」がもっとも狙い目といえる。
驚いたのが馬番別成績だ。もう完全に内枠有利で、内枠である馬番1〜6番とそれ以外では、信頼度に比較にならないほどの差が出ている。回収率ベースの数値も内枠が圧倒的に高く、枠番値もプラス0.6ときわめて優秀。平均人気がもっとも高いのも内枠だが、それでもこの成績は高く評価できるものだ。「内枠有利」と結論づけて問題ない。
脚質の面では、4コーナーを「7番手以内」で回った馬の強さが目立つ。ここに限れば回収率も、単複ともにプラス計上。最後の直線が長い差せるコースではあるのだが、それでも先行勢を狙ったほうが効率はいいはずだ。上がり2位以内馬は優秀な成績を残しているが、最後方からの追い込みでは厳しいはず。やはり中団のポジションが欲しい。
【レース総論】菊花賞(G1) 過去10年
・レースの要所!
★3番人気以内馬と7〜9番人気馬の強さが目立つ。とくに後者は要注目。
★コースデータ同様に内枠優勢。4コーナー10番手以内が好走の絶対条件。
★神戸新聞杯で「人気≦着順」だった馬に注目。3着以内ならば激アツ!
前述のコースデータよりは、いくぶん堅く決着する傾向にある菊花賞。けっこう荒れているイメージがあるのだが、ふたケタ人気馬は[0-1-1-86]と、過去10年で2回しか馬券に絡めていない。ただし、7〜9番人気が複勝率23.3%と非常に強く、その信頼度は4〜6番人気と比肩するほど。人気の盲点となりやすいので、必ず注意しておきたい。
馬番別成績や脚質別成績は、コースデータとほぼ同様の傾向。内枠である馬番1〜6番は、勝率8.3%、連対率15.0%、複勝率23.3%と抜群の成績で、枠番値もプラス1.0と猛烈に高い。内枠というだけで買う価値アリで、この他にもプラス評価できるデータを持つ馬であれば、かなり力を入れて買っていいだろう。
脚質については「4コーナー10番手以内」が好走の必要条件で、勝つためにはさらに前のポジションが欲しいところ。ディープインパクトでさえ4コーナー通過順位は7番手、オルフェーヴルに至っては3番手であり、瞬発力に秀でている馬であっても、3コーナーから4コーナーの区間でポジションを押し上げている。
もっとも重視したいのが、トライアルである神戸新聞杯組の「前走人気と前走着順」別データ。前走、神戸新聞杯で「人気≦着順」であった馬が、菊花賞では[8-5-4-22]で連対率33.3%、複勝率43.6%と非常に強いのである。その上で「神戸新聞杯3着以内」であれば、その信頼度は鉄板級。昨年の覇者トーホウジャッカルと2着のサウンズオブアースも、この条件を完璧にクリアしていた。
あとは、G1でもあり徹底的に「乗り替わり<継続騎乗」であることや、関東馬が[0-0-2-42]とまったく通用していないのも、意識しておきたいデータ。有意なデータが多いレースなので、期待馬は枠番決定前でも、かなりの段階まで絞り込めるはずだ。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
引き続きAコース。先週日曜日からグンと差せるようになった印象を受ける。
・天候予測
穏やかな秋晴れが週末まで続く見込み。パンパンの良馬場で時計も速そう。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎
こちらも参考データだが、馬場の軽い京都芝の外回りは、ディープインパクト産駒が大好物とするコース条件。トータル[33-28-19-120]で連対率30.5%、複勝率40.0%と、他を大きく引き離す成績を残している。1着がもっとも多く、しっかり勝ちきっているのも好印象。距離はともかく、馬場適性が猛烈に高いのは間違いない。
また、先週の日曜日から京都の芝が「差し天国」と化していたのも、意識しておきたいところ。しかも、今週は週末まで延々と晴れ予報であり、含水率の低いパンパンの良馬場となる可能性が高い。高速馬場適性と瞬発力の有無は、取捨選択の際にもかなり意識しておきたいところ。前有利のコースだけに、なかなか悩ましい。
★出走登録馬・総論×各論 ……というわけで「枠番が決まるまで待って」と言いたい気持ちでいっぱいの菊花賞。内枠とそれ以外でこれほど成績差があると、枠番という材料を抜きにして結論づけられないからである。今週のNo.1予想に関しては、ここからかなり評価を上げ下げすると思われるので、そのあたりはどうかご了承いただきたい。
泣き言はこのあたりにして、各論へと入ろう。トップ評価は、神戸新聞杯で見事な逃げ切りを見せたリアファルである。このコース&レースが前有利であるのは繰り返し述べた通りで、さらに「神戸新聞杯で3番人気<1着」かつ「3着以内」という条件を満たすのは、今年はこの馬だけ。データ的な信頼度は、ぶっちぎりで首位である。
難しいのがここからで、データ的に大きなマイナス材料を抱える馬ばかり。かなり悩ましいが、ダービー2着のサトノラーゼンを2番手評価としたい。久々だったセントライト記念では中団からの競馬となったが、本来はもっと前々で流れに乗れるタイプ。前走で人気を落とすだろうし、ダービー同様に内枠を引き当てれば、かなりアツい。
三番手評価にスティーグリッツ。神戸新聞杯組に「好走パターン」合致馬が少ないこと、さらに成績が不振なセントライト記念組の出走が多いことから、今年は「前走古馬1000万下1着馬」の好走がありそうな雰囲気だ。気性的に難しい面がありそうで、こちらは内枠よりも外のほうがベター。ハービンジャー産駒のスタミナに期待したい。
一応はここまでが上位評価組で、以下はさらに混戦模様。キタサンブラック、リアルスティール、ブライトエンブレム、タガノエスプレッソ、レッドソロモン、ワンダーアツレッタという序列だが、ぶっちゃけ差はほとんどない。データ的にはリアファル「一強」で、以下は猛烈な大混戦というのが、現時点での見立てとなる。
■総論×各論・先週の馬券回顧
京都11レース 秋華賞(G1)
1着 18ミッキークイーン
2着 09クイーンズリング
3着 06マキシマムドパリ
それなりに前が流れるとは思っていましたが、あんなに速くなるとはなあ。そんな流れで折り合いまで欠いてんだから、そりゃあレッツゴードンキもあっさり売り切れますって(呆然)。ハイペースで縦長の馬群になったことが、積極的にポジションを取りに行ったミッキークイーンには大きなプラスに。馬券が……馬券が当たらないよママン!!
※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。