同期であり、ライバルでもある加藤ジョッキーのことや、10月に8勝、11月に6勝、12月に7勝と快進撃を見せた昨年の後半についても聞いていきます。
(取材・文/大薮喬介)
「勝ちたい」気持ちが強すぎて…
――9月はお互い1勝ずつで差が縮まらなかったわけですが、やはり同期の加藤祥太ジョッキーの勝ち星は気になりましたか?
鮫島駿 めっちゃ気になりました。
――ただ、その後はスゴかったですね。10月8勝、11月6勝、12月7勝と、最終的には加藤ジョッキーに9勝差つけて最多勝利新人騎手を獲得しました。10〜12月のレースを振り返ってみると、スマートカルロスやアスターストームなど、過去に騎乗して2、3着にきたことのある馬に再度騎乗して勝っている印象があります。
鮫島駿 おそらく京都や阪神の本場で2、3着にきた馬が、ローカルで勝ったということだと思います。やはり、本場でそれなりに走った馬はローカルだと一枚上のことが多いですから。そう考えると、去年はいい馬に乗せていただくことが多かったということですよね。騎乗するすべてのレースを勝ちたいと思っているので、39勝させていただきましたが、満足していません。最多勝利新人賞も獲ることができて、ホッとしたというのが正直な感想ですね。
――「もっと勝たないといけなかった」と思っているようですが、勝つために昨年は何が足りなかったんでしょうか?
鮫島駿 振り返ってみると、「勝ちたい」気持ちが強すぎて、それが影響してレースでも無駄な動きが多かったのかなと思います。もっと冷静にならないといけないなと。
――最初の頃は落ち着いた競馬をしているように見えましたが、レースに乗れば乗るほど、それが崩れてきたと。
鮫島駿 そうですね。
――さっきも言いましたが、いい着順にきた馬に再度騎乗されたときは結構勝っています。何か秘訣などがあるのですか?
鮫島駿 秘訣かどうかはわかりませんが、終わったレースのVTRは観ますね。2、3着だった馬は終わってみれば強かったわけで、本当は勝てたレースも結構あったと思うんです。次は失敗したくないので、VTRは必ず観ます。
――10月31日の福島7R・3歳上500万下のクレアドールも完勝でしたが、前走で乗っていますね。
鮫島駿 このレースは自信がありました。前走2着だったんですが、相手がすごく強くて、クレアドールもめっちゃ伸びているのに、全然差が縮まらなかったんです。だから、次に乗せていただけるなら、絶対に勝ち負けできると思っていました。
――そういった努力が後半の快進撃につながったんですね。ところで、新人賞を争った加藤ジョッキーとは仲がいいんですか?
鮫島駿 めっちゃいいですよ。どっちかが勝つと「勝つなや〜、ホンマによう勝つなぁ」と言い合いますし、最近、加藤が車を買ったんですが、最初に助手席に乗ったのは僕です(笑)。
――良きライバルでもあり、いい仲間なんですね。
鮫島駿 はい。お互い切磋琢磨して、成長していければと思います。
お互い切磋琢磨して、成長していければと思います
【次回のキシュトーークU25は!?】
鮫島克駿ジョッキーのインタビューも次回で最終回。自身が疑問に思ったことはすぐに先輩にアドバイスを聞くようにしているそうです。その先輩とはいったい!?