ルージュバックがここから始動。昨年は無冠に終わったが、ここで改めてその素質の高さを見せつけることができるか。出走を予定している主な有力馬は次の通り。
■3/13(日) 中山牝馬S(4歳上・牝・GIII・中山芝1800m)
ルージュバック(牝4、美浦・大竹正博厩舎)は昨年のオークスで2着、エリザベス女王杯で0.1秒差の4着に入るなどGIで好走したが、素質と期待の高さを考えれば、それでも物足りない結果だったと言わざるを得ないだろう。4歳初戦のここをキッチリと勝って、今後への弾みとしてほしいところだ。
アースライズ(牝4、栗東・矢作芳人厩舎)は昨年の秋華賞で5着に入り、以降も1600万勝ち、愛知杯3着と力をつけてきている。この条件は昨年のフラワーCで12番人気2着と激走しており、ここでも好走が期待される。
その他、出てくれば当然有力なバウンスシャッセ(牝5、美浦・藤沢和雄厩舎)、ターコイズSを11番人気で制したシングウィズジョイ(牝4、栗東・友道康夫厩舎)、距離替わりで見直したいシュンドルボン(牝5、美浦・矢野英一厩舎)・リーサルウェポン(牝5、栗東・荒川義之厩舎)なども上位争いの圏内。発走は15時45分。
【データ分析】
人気(中山競馬場で行われた過去9回)…1人気は[2-0-1-6]勝率22.2%、複勝率33.3%とそれほど高い数値ではない。1〜5番人気が[5-5-3-32]複勝率28.9%、複勝回収率68%。6〜10番人気は[4-3-2-36]で単勝回収率169%と、中穴からも勝馬は出る。一方で11番人気以下となると[0-2-3-47]複勝率9.6%と勝ちきるまでは厳しい。
前走距離(中山競馬場で行われた過去9回)…前走で今回と同距離(1800m)のレースを使っていた馬は[0-1-1-26]複勝率7.1%と不調。1〜3番人気の実力馬ですら[0-0-0-7]と馬券絡み無し。良い条件ではないのは確かだろう。延長組は[4-6-4-51]複勝率21.5%で、特に前走1600mからの馬が[4-5-4-42]複勝率23.6%と活躍している。また、距離短縮組は[5-3-3-38]複勝率22.4%と、延長組と短縮組ではあまり大きな違いは見られない。
前走脚質(中山競馬場で行われた過去9回)…前走3コーナーを2番手以内で回った馬が[2-2-0-15]連対率21.1%、単勝回収率241%と、前に行ける馬が穴をあける傾向が見られる。また、前走の上がり3Fが3位以内と末脚の目立った馬が[2-4-5-20]複勝率35.5%、複勝回収率155%と高い回収率で、牝馬限定ハンデ重賞ということで、極端な脚質の馬が波乱を演出しやすいレースといえる。
◆ルージュバック
・一週前調教診断/井内利彰
エリザベス女王杯の後、在厩調整で出走した有馬記念が10着。その後は放牧に出されて、今回はぎりぎりまで牧場で調整するという選択になったのだろう。美浦での追い切りは3月5日の南Wでの単走追いしかない。
これが6Fから時計を出しており、その数字も速い。これだけやれるということは中身が整っているからだということは理解できるが、さすがに重賞を使うにあたって、この追い切り本数は少ない。レース前週の日曜日に南Wで6Fから時計を出しているのは、オークス時と全く同じ。ただし、当時は暖かい春シーズンで、レース間隔も今回より短い。個人的にはしっかりと追い切り本数をこなした、きさらぎ賞時の仕上げがベストパフォーマンスにつながると思うだけに、決して高い評価はできない。
・血統診断/望田潤
母ジンジャーパンチはBCディスタフ(米GI・ダ9F)などGIを6勝した北米古牝馬チャンピオン