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中間の動きはまるで牝馬3冠アパパネ フロンテア一変あるぞ/トレセン発秘話

  • 2016年05月19日(木) 18時00分


◆カイバ食いも良く、馬もグングンと良く

 リピーターこそ輝く舞台――そう解釈せざるを得ないほど、ヴィクトリアマイルでのストレイトガールの強さは際立っていた。直線反応なく9着に惨敗した前哨戦の阪神牝馬S。これで“終わった”の読みは確かに甘かったかもしれないが、先週は“それにしても”の勝ちっぷり。陣営の仕上げの見事さに脱帽する一方、牝馬にはずぬけた東京巧者が時に出現することを改めて思い知らされた。

 さて、今週も主役は牝馬たち。とはいえ7歳の熟女がばっこした先週とは違い、ここはまだうら若き3歳の娘たちの集い。いわば、関わる男次第でどうにでも染まる多感な時期の戦いだ。

「多分、勝てる手応えがあったんだろう。いつになく(蛯名)マサヨシも押して位置を取りに行った。でも1コーナーでのゴチャつきが裏目。エキサイトしてそこから終始ハミをかんでしまったからね」

 国枝栄調教師が語るように、フロンテアクイーンの前走フローラS4着も彼女がすべて悪かったわけじゃない。“その気”にさせる環境があり、かかるべくしてかかった一戦。若気の至りと言えようか。それでも勝ったチェッキーノが人気なら、この馬も見直せる。優等生の競馬をした相手に対し、ハメを外してレースレコードから0秒6差。更生の余地はいくらでも残している。

「(牝馬3冠を制した)アパパネの時と同様に、中間は距離を意識して長めからじっくり乗っています。すると不思議と馬自身もリラックスして走ることを覚えてきた。調教はすごくいい感じでかみ合っているし、カイバ食いも良く、馬もグングンと良くなっている。これもアパパネと同じ。ホント、今回は面白いと思うんですけどね」

 牝馬の仕上げに一日の長があるキュウ舎。椎本英男助手の言葉が確かなら、オークスを前にフロンテアクイーンも今、別馬に生まれ変わろうとしている。前出ストレイトガールのような“変わらぬ強さ”は一流古馬の魅力だろうが、一方で若駒の魅力は“変わる強さ”。映画「ビリギャル」ほど劇的ではないが、周囲をあっと言わせるゴールシーンに期待しよう。苦い酒ばかりの週末が続くが、今週こそ久々にうまい酒を堪能できそうな気がしているのだが…。(美浦の宴会野郎・山村隆司)

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