昨年は鮫島克駿ジョッキーと新人賞を争い、今年も1月に6勝と絶好のスタートを切った加藤騎手。若手注目株の素顔に迫ります!
(取材・文/大薮喬介)
阪神&京都のダート1800mが狙い目!
――昨年は同期の鮫島駿騎手と熾烈な新人賞争いを繰り広げていました。最初は加藤騎手がリードしていましたが、夏競馬が終わった段階で、加藤騎手が18勝、鮫島駿騎手が17勝と1勝差に縮まっていましたね。この時点で鮫島駿騎手のことを意識されていましたか?
加藤 函館や札幌のパドックや検量室で小倉の映像を観ていたのですが、やはり彼のレースは気になりました。よく勝つなぁと思って(苦笑)。やっぱり、多少のあせりはありましたね。
――結果的に鮫島駿騎手が39勝、加藤騎手が30勝で新人賞を逃しました。後半に差をつけられましたが、その後半の成績を振り返っていかがですか?
加藤 成績自体は悪くはなかったと思います。ローカルでたくさん騎乗させていただいて、11月には5勝させていただきましたから。
――今年に入って1月に6勝と好調でしたが、2月に落馬をして休養を余儀なくされました。ケガはもう大丈夫ですか?
加藤 肋骨を3本折って、肺にも少し傷があったり、顔も少しだけ傷ができましたが、もう大丈夫です。まだ縫った跡は残っているんですけど(笑)。
――2月20日の小倉7Rでの落馬でしたが、急にガクンと馬がこけましたよね。
加藤 はい、前に行ったほうが成績のよかった馬でしたから、好スタートが切れたので、そのまま行ったんです。そうしたら、最初のコーナーに入る前に馬が骨折してしまって。本当に急だったので対処ができませんでした。
――予測不能だったわけですね。
加藤 ええ、何の予兆もなかったんですが、もしかしたら返し馬などで気づくこともできたのかもしれません。そこは僕の経験不足だと思います。
――その日の騎乗予定だった馬が結構勝っていましたよね。
加藤 そうなんです。うれしい半面、悔しい気持ちもあって複雑でした(苦笑)。
――4月9日に復帰されたので、ちょうど1か月半休んでいたんですよね。
加藤 はい。休んでいる間は大阪にあるスポーツ専門の治療施設で治療をしていました。毎日、ひたすら骨折した部分に電気をあてる治療をしていましたね。それを2〜3時間したあと、ケガの経過を見ながらリハビリやトレーニングをするんです。おかげさまで、今はまったく違和感がありませんし、しっかりと治すことができました。
――久々に復帰された時はいかがでしたか?
加藤 レースでの違和感はありませんでした。でも、ケガをしてから1カ月過ぎくらいから攻め馬に乗り始めたんですが、最初は「馬の背中の上はこんな景色だったんだな」って思いましたね。それも1日か2日かで慣れましたけど(笑)。
――復帰されてから(5月29日まで)7勝されていて順調に見えますが、ご自身的にはいかがですか?
加藤 復帰週からたくさん乗せていただいて、すごくありがたかったです。自分的にはもうちょっと結果を出せたんじゃないかなと思いますので、この結果に満足はしていませんね。
――これまで46勝を挙げていますが、印象に残っているレースはありますか?
加藤 やっぱり初勝利のレースですね。結構タイトな競馬になって、直線に入っても行くところがない状態になったんですが、直線の半ばで前にスペースができて、抜け出すことができました。勝った時はめちゃくちゃうれしかったです。
――3月14日の阪神3R・3歳未勝利ですよね。騎乗したグランシュクレは1番人気でしたが、緊張はされませんでしたか?
加藤 レース中は意外と落ち着いていましたけど、新聞などでグリグリの本命だったので、勝たないといけないという緊張感はありました。
――相性がいいと思う競馬場やコースはありますか?
加藤 好きな競馬場でいえば、阪神や京都が好きです。自分の中では、ダートでいい成績を残しているイメージがありますね。とくにダートの1800mがいいかなと思います(笑)。
とくにダートの1800mがいいかなと思います(笑)
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