“難解”な中京芝の状態を分析 レッドファルクス尾関師CBC賞勝算あり!?/トレセン発秘話
◆開催が進むにつれ、速くなるのが中京の芝
全休明けの28日、尾関キュウ舎に立ち寄ると、前田廣宣助手が悔しげに語りかけてきた。
「力負けじゃないっすよ。馬場、そしてハンデ。持ち前の切れ味を生かし切れなかった」
振り返ったのは、彼の担当馬バンゴールが出走した先週の東京1000万・八ヶ岳特別(芝1800メートル)。単オッズ2.0倍の1番人気に支持されたが、結果はクビ+ハナ差3着と涙をのんだ。
「発表こそ良でしたが、その前のレースまで稍重だったように、かなり下がぬかるんだ状態。その分ハンデもこたえたと思うんです」
“独り善がりの言い訳”でないことは、レース後に数多くのジョッキーが「道悪」を敗因にした談話が物語る。現在JRAでは馬場状態を4段階で発表しているが、乗り手の感覚と微妙にズレるケースがある。そこに不完全さを感じるのは当方だけではあるまい。もっとも、馬場にイメージとのギャップを感じるのは、乗り手に限った話でもない。
「なぜ高松宮記念を目標にしたか。それは中京の芝は他場より時計を要するパワー志向という印象があったから。それがフタを開けたら、従来のコースレコードを大きく上回る決着ですから。まるで違う競馬場で走ったようなモヤモヤが残った。果たして今週はどうなのか」
今週CBC賞にスノードラゴンを出走させる高木登調教師の弁である。高松宮記念は日本レコード(1分06秒5)に0秒2差にまで迫る高速決着。果たして当時、誰がこれを予想できたか。ゆえに…今週開幕の中京開催、その芝状態に懸念を抱くのも、やむを得まい。
確かに馬場は“生モノ”。フタを開けるまで正確には分からない。ただ、読者の予想の一助となりそうな分析を加える関係者がいる。同じくCBC賞に管理馬レッドファルクスを送り出す尾関知人調教師だ。
「過去の傾向を踏まえれば、開催が進むにつれ、速くなるのが中京の芝。路盤に硬さがない開幕週は、逆に時計がかかっているんです。前走ダートでオープン初勝利を飾ったファルクスも、それも見越した出走ですよ」
従来の“中京らしい芝”となれば、おそらくハンデ差がもたらす影響は軽い馬場より大きくなるはず。それが知将の見込みだが、果たして結果は?(美浦の宴会野郎・山村隆司)