菜七子効果で動員は増えたが…あとはいかに馬券を買ってもらうか/トレセン発秘話
◆「菜七子フィーバー」をきっかけに
藤田菜七子の“関西デビュー”に沸いた6日の園田競馬は普段のおよそ倍となる大勢のファンが詰め掛けるにぎわいを見せていたようだが…。7Rクリノエベレストで2位入線後にまさかの落馬負傷(左下腿打撲)。残る2鞍が乗り替わりとなったことで、多くのファンはその後のレースを見ずに帰ってしまったのだとか。
レース前日には「帰りの道がかなり混みそうですね」と思案顔だった安達調教師(メーンの10R淀川特別にレディカリビアンが出走)も「菜七ちゃんが乗れなくなったことで、皆帰っちゃったから全然すいてましたね」と拍子抜けした様子だった。そのレディカリビアンを勝利に導いた和田も「最初は正月かと思うぐらい混んでいたのに、乗り替わりになった途端いなくなった。皆パドックを通り過ぎて、出口に行っとったもん。せめてメーンレースは見てほしかった」と苦笑いである。
大勢のファンが詰め掛けた割に、売り上げは微増にとどまったとなると、馬券購買層にはあまり届いていなかったということなのかもしれないが、それでも普段は競馬場に来ることがない新規開拓層を発掘していることが何よりすごい。これらのライトファンが「菜七子フィーバー」をきっかけに今後競馬そのものに興味を持ってくれれば、まだまだ競馬も盛り上がっていく…そんな感想を持った坂路野郎である。
菜七子は参戦しない週末の中京競馬もぜひとも多くのファンが詰め掛けてほしいもの。血統馬も出てくる土日3鞍の新馬戦はそれぞれ楽しみだが、なかでも前出の和田が「真面目でスピードタイプ。素軽い動きをするし楽しみ」と手応えを口にした日曜芝1400メートルのメイショウハバネラ(牝=父アイルハヴアナザー、母ベストオブチャンス)はぜひとも買っておきたい一頭だ。(栗東の坂路野郎・高岡功)