スマートフォン版へ

【菜七子騎手の兄弟子】野中悠太郎騎手(3)「真ん中は目立たない」“根本厩舎3人弟子”次兄の苦悩

  • 2016年07月20日(水) 18時00分
“根本厩舎3人弟子”の次兄、野中騎手の最終回


最終回は同期のことや、師匠の根本康広調教師、兄弟子の丸山元気ジョッキー、妹弟子の藤田菜七子ジョッキーのエピソードトーク。さらに現状の課題や理想のジョッキー像、自身のアピールポイントも語っていただきました!
(取材・文/大薮喬介)


今は根の明るい部分を出していない!?


(前回の続き)

――競馬学校に入ってからはいかがでしたか?

野中 楽しかったですよ、同期とも仲がよかったですし。

――キシュトーークには鮫島克駿ジョッキーと加藤祥太ジョッキー、期は違いますが入学時期が同じ森裕太朗ジョッキーに出演していただいたことがあるのですが、野中ジョッキーから見て、彼らはどのような性格なんですか?

野中 サメは真面目で、普段の生活がオシャレです。加藤は淡々と物事を進めていって、あまり周りに影響されないタイプですね。森は、面白いヤツです。競馬学校の時に缶詰のグリーンピースだけを食べて「美味しい、美味しい」って言っていたんですよ。僕はグリーンピースだけをバクバク食べている人を初めて見たので衝撃的でしたね。「いや、それだけで食べるやつじゃないから!」って突っ込んだ記憶があります(笑)。

――それは面白いエピソードですね(笑)。野中ジョッキーはご自身ではどのような性格だと思いますか?

野中 みんなからは、娯楽室の番長って呼ばれていました(苦笑)。

――番長!?

野中 僕は、休日に外に出ないタイプなんです。いつも娯楽室にいて、ゴロゴロしていたので、「いつ(娯楽室に)行っても、お前がいる」って言われるようになって、いつの間にかそんなあだ名がついてしまいました(笑)。

――インドア派なんですね(笑)。

野中 ええ。性格はどうなんですかね、基本的には真面目だと思うんですが、小中学校の時はひょうきん者でした。

――ちょっと意外ですね。見た目は真面目で大人しい感じなので。現在は?

野中 今は根の明るい部分を出していないかもしれないですねぇ。

――そういえば、初勝利の時のインタビューを見たのですが、その時も笑っていませんでしたよね。

野中 そうだったかもしれないです(苦笑)。ゴール後も、蛯名さんに「うれしくないのか?」と言われましたし、なんなんですかね?

――カッコつけようと思っているわけではないんですよね?(笑)

野中 それも多少あるかもしれないです(苦笑)。これからはもうちょっと、自分を出していこうと思います(笑)。

――師匠である根本先生はどんな方なんですか?

野中 とても明るくて、僕たちのことをすごく考えてくれている方です。去年の成績を見てもらえればわかるんですが、ほぼ毎週のように自厩舎の馬に乗せていただきましたし、(藤田)菜七子を見てもらってもわかると思いますが、すごく弟子思いの方ですから。この夏もほとんどの馬たちは僕か菜七子に乗せていただけるようなので、本当にありがたいです。

――根本厩舎には兄弟子に丸山ジョッキー、妹弟子に藤田ジョッキーがいて、3人も弟子がいるなんて珍しいですよね。

野中 そうですね。丸山先輩は地位を確立されていますし、菜七子はご存知の通りすごく注目されていますから、真ん中の僕は目立たないですよね(苦笑)。

――レースでのアピールはもちろんですが、もともとの明るいキャラクターを出したら目立つかもしれないですよ。

野中 それは、丸山先輩にもよく言われます。もっと自分を出せって。

――いつから明るい性格を隠すようになったんですかね?

野中 競馬学校に入ってからですかねぇ。みんなでワイワイしていても一歩引いて見ているというか、真面目なところを見せようと思ってしまって。それがまだ抜け切れていないのかもしれないですね(笑)。

――丸山ジョッキーや藤田ジョッキーとは仲がいいんですか?

野中 仲はいいですね。丸山先輩にはよくご飯に連れていっていただいたり、競馬に関してもアドバイスをしていただいたり、とてもお世話になっています。競馬のことをすごく考えていて、ゲートも上手いですし、尊敬するところがたくさんありますね。菜七子は競馬学校の時にも同じ厩舎だったんですが、これだけ注目されているのに平然としていて、メンタルが強くなった印象があります。切り替えが早いのもスゴいですよね。

――野中ジョッキーも負けてられないですね。

野中 負けたくないですね。この夏にしっかりと結果を出して、アピールしたいです。

――結果を出すために、課題はありますか?

野中 いかに余裕を持って騎乗ができるか、というのが大事ですよね。ただ最近、岩田さんにアドバイスをいただくことがあったのですが、「考えすぎだ」と言われました。自分でも型にはめようとしすぎているのかなと思うこともあるので、今しかできない、もっとがむしゃらに乗ることもしていきたいですね。

――将来はどんなジョッキーになりたいですか?

野中 シンプルに“勝てるジョッキー”になりたいです。そこにすべてが詰まっていると思っていますから。大胆な騎乗もできて、ソツのない騎乗もできる、それが理想ですね。

――では、最後に競馬ファンへのメッセージとして、「自分のここを見てほしい」というところをアピールしてください。

野中 いつも人気通りに決まっていたら、競馬ファンの方々も面白くないと思います。勝つことが一番ですが、人気薄の馬でも馬券に絡めるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!

キシュトーーク

人気薄の馬でも馬券に絡めるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!



【次回のキシュトーークU25は!?】
次回は、レギュラーメンバーの川須栄彦ジョッキーの登場です。300勝目前の彼が語る現状。そして小倉競馬の特徴など、さまざまなことを語ります! 乞うご期待!!

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング