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勝つための条件揃ったブルドッグボス/クラスターC

  • 2016年08月15日(月) 18時00分


◆この重量差は短距離戦では堪える

 GI/JpnI勝ち馬が別定やハンデのGIII/JpnIIIで59kgや60kgを背負わされることはよくあるが(実際には登録だけで回避する場合も多いが)、JpnII(東京盃)勝ちまでのダノンレジェンドが60kgというのもめずらしい。基礎重量54kgに、GII/JpnII勝ちで3kg増、そして「G及びJpn競走通算3勝以上馬は1kg増、さらに2勝ごとに1kg増」という設定があり、グレード7勝のダノンレジェンドはこれでさらに3kg増となっての60kg。負担重量の上限は4歳以上の牡馬で60kgとなっているので、これ以上は増えない。そしてほかにグレード勝ち馬は牝馬のフォーエバーモア(芝のクイーンカップGIII)だけというメンバーなので、ダノンレジェンドにとっては6kg以上の斤量差がつくということになった。

 マイル〜2000mが適距離というダート馬なら、中央・地方合わせて年にいくつもGI/JpnIがあって定量で戦えるので、ホッコータルマエやヴァーミリアンのようにGI最多勝というような記録もつくれるが、マイルは守備範囲外というダートの短距離馬にとなるとGI/JpnIはJBCスプリントしかなく、GII/JpnIIも限られるので、JBCスプリントを“勝ってしまった”馬のその後は活躍の場がかなり限られてしまう。というのはわかっていたが、GI/JpnIを勝っていなくても、このような重量を背負わされてしまうというのはちょっと理不尽な気がする。

 普通なら回避を考えてもよさそうだが、JBCスプリントを目指すローテーションとして、おそらく去年と同じここを使うしかなかったのだろう。佐賀のサマーチャンピオンという選択肢もあるとは思うが、あちらもJpnIIIを1勝だけのタガノトネールが57.5kgを背負わされるのでは、ダノンレジェンドが出れば59.5kgか60kgになるので同じこと。であれば、馬群に包まれることを嫌うダノンレジェンドにとってはコースの広い盛岡のほうがいい、ということなのかもしれない。このあたりはあくまでも想像だが。

 とくにこの重量差は短距離戦では堪えるという話をよく聞く。2012年にJBCスプリントを制したタイセイレジェンドも、その後は結局JpnIIの東京盃を1勝しただけという成績で引退したが、主戦の内田博幸騎手は、58kgを超えると急にズシリと重さを感じるという話をしていた。

 そういうわけで、さすがに6kg以上も差がある斤量で、ダノンレジェンドは本気で勝ちにはこないだろうと見て▲まで。あっても2、3着まで。

 本命はブルドッグボス。デビュー以来、ダート1400m以下のみを使われて、1200mのオープンをすでに2勝。前走かきつばた記念は、直線で一旦は抜け出してほとんど勝ったと思ったところ、ノボバカラに差されてしまった。ほとんど勝ちに等しい内容のレースだった。東京、中京で左回りも勝った経験があり、ほとんどマイナスになる要素は見当たらない。

 相手はマキャヴィティ。3歳後半からダートの短距離に専念して、オープンのジャニュアリーSまで1200mで3勝。前走、伸びを欠いた京葉Sには目をつぶる。

 フォーエバーモアは、マリーンCでは差のある5着だったが、レベルが高かったすばるSで3着と好走があるように、短距離でこそ力を発揮するタイプに思える。

 地方勢では、目下2連勝と、ここに来て調子を上げてきているラブバレットに期待。

 ワイドエクセレントは前走京葉Sで3着と好走したが、初めての重賞でどこまでやれるか。

◎ブルドッグボス
◯マキャヴィティ
▲ダノンレジェンド
△フォーエバーモア
△ラブバレット
△ワイドエクセレント

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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