札幌土日メーンWジャック狙う五十嵐厩舎・松永調教助手/トレセン発秘話
◆1番人気必至のタガノアシュラを送り出す
函館競馬場閉場に伴い、最終ウイークに満を持して札幌競馬場に移動した宴会野郎。まずそこに待っていたのは、親愛なる武藤善則調教師の“悲報”であった。
日曜メーン・丹頂S(3歳上オープン、芝2600メートル)に出走するプレストウィック担当の阿部洋史助手から「週末は調教師も来ないでしょう」という意外な言葉が…。
一瞬、勝負度合いが低いのかと勘繰ったが、さにあらず。聞けば、かかとを骨折して動けない状態だという。馬は5歳にして本格化ムードだが、トレーナーは49歳で衰えムード。当方も数か月前に肉離れを起こしたが、お互い寄る年波には勝てないということか。敬愛するトレーナーよ、ご自愛あれ。
さて、その丹頂S出走組で“意外な事実”を明かしてくれた人物は他にもいる。ケルンダッシュを送り出す松永康晴助手である。前走の札幌日経オープンは10着完敗だったが、単にクラスの壁ではないと伝えてきた。
「その週は馬だけ札幌に運び、ボクは函館でテレビを見ていたんですけどね。パドックでは抑えるのがしんどいくらい気合を見せる馬が、あの日は妙におとなしかった。レース後は歩様が乱れていたと聞くし、おそらく軽い熱中症を起こしていたと思うんです」
中には“涼しい北海道でバカな”と思う読者がいるかもしれないが、この手の話は最近の札幌ではよく聞くこと。実際、同週のUHB賞にサドンストームを使って9着惨敗を喫した深川淳史助手も同馬が熱中症にかかったことを伝えた。その週末はそれくらい厳しい暑さだったのだ。別定の前回から今回は52キロのハンデ戦…変わる可能性は少なくなかろう。
とはいえ、その松永クンがより力を入れているのは、むろん前日の土曜メーン・札幌2歳S。1番人気必至のタガノアシュラを送り出す。
「新馬戦から2か月近く、放牧には出さず、このレースのために函館で調整してきました。ホント長かったですが、ソエも出ず、食いも落ちず、順調にきたのは最大の強み。2歳馬はなんだかんだありますからね」
初戦で見せたテンションの高さもおさまり、札幌入キュウ後の気配も至って良好。初陣で4馬身負かしたサトノアリシアがコスモス賞を制したのだから、器の大きさもすでに証明済みだ。
「土日メーンに担当馬を出すのは初めてだし、好結果を出して日曜を迎えられたら」の言葉には、両レースへの手応えがあふれる。土日メーンWジャックなるかに注目だ。(美浦の宴会野郎・山村隆司)