ツインキャンドル 手塚厩舎の忘年会を盛り上げる期待馬/トレセン発秘話
◆“楽しい厩舎忘年会”トップ3
先週4日のチャンピオンズCは高木登厩舎が送り出したサウンドトゥルーが、昨年3着のリベンジを果たす見事な差し切りV。「デキが落ちると体が硬くなる傾向にあるが、今回は柔らかみがあり非常にいい状態」というトレーナーの力強い弁に後押しされるように本命を打ったが、何よりの勝因は主戦・大野拓弥の“神騎乗”に尽きる。
4角までは内ラチ沿いをピッタリ回り、まったくロスのないさばきで直線外へ。手前を替えるまで追い出しを待って、はかったようにグンと加速。そこにわずかでも狂いがあれば、2着アウォーディーの押し切りを許しただろう。走る馬ほど鞍上交替が頻繁な時流に反し、コンビを組んで24戦目の中央GI初制覇…個人的にも久々に胸のすく一戦だった。
もっとも先週のGIを振り返ったのは、そんな自慢をするためではない。実は今週水曜(7日)、高木厩舎の忘年会が開催予定。担当となる当方も開業以来毎年参加させていただいているが、仕事に厳しい指揮官も職場を離れれば実におうようで太っ腹。2年連続GI2勝を決めた今年はさらに華やかな宴会が催されよう。
とはいえ、豪華な食事もさることながら、当方がより魅力を感じるのは厩舎内の風通しの良さだ。指揮官はスタッフを鼓舞し、スタッフは指揮官をもり立てる。コンパニオンを間に挟むとはいえ、昼間の取材だけでは知りえない相互の信頼関係を垣間見る一瞬だ。スノードラゴン、ホワイトフーガら“非社台系”で大舞台を制するのには、積極性を生むこの厩舎のムードが少なからず影響しているのだろう。当方が厩舎忘年会を好むのは、単にタダ酒が飲みたいからではないのである(本当か!?)。
さて、今週は“楽しい厩舎忘年会”トップ3に入る手塚貴久厩舎で儲けを倍増したい。日曜(11日)阪神・夙川特別(ダ1200メートル)にも登録のあるツインキャンドル(土曜中山8Rが本線)は、先週中山の舞浜特別を無念の除外。「2頭出しのマレーナも鉄砲は利くけど、今のデキならツインが上だと思う」との師の言葉を聞き評価を下げたマレーナが、先週は11番人気で2着と激走。「短距離のペースにも慣れてきたし、松岡も“千二ならハマる”と言っている」ツインなら、牡馬相手でもヒケは取るまい。同馬も次週(14日)の厩舎忘年会の盛り上げ役になれば最高だ。(美浦の宴会野郎・山村隆司)