ロジチャリス GIIIダービー卿CT波乱の主役/トレセン発秘話
◆馬券的な面白さなら大阪杯に負けない
先週(26日)のGI高松宮記念は◎レッドファルクスで鉄板と思っていたのだが…。
ご存じの通り、先に抜け出したセイウンコウセイを捕らえ切れず、レッツゴードンキとの叩き合いにも敗れてまさかの3着。週明けの美浦で「枠が決まった時点でオレは嫌だなと思ったけどね」と尾関キュウ舎の二口勲助手は語ったが、事実、馬場の悪いインに終始閉じ込められる窮屈な競馬。4着以下を0秒3以上離したように力は示したが、改めてGIを勝つ難しさを思い知らされた気がする。その意味では、昨年の年度代表馬キタサンブラックとダービー馬マカヒキの激突が注目される昇格GI大阪杯も案外、一筋縄ではいかないかもしれない。
さて、馬券的な面白さなら土曜(4月1日)中山のGIIIダービー卿CT(芝外1600メートル)も負けてはない。08年の100万円馬券を筆頭に、過去10年で10万円超の3連単が6回もある波乱度満載のハンデ戦。要は何でもありの様相を呈している。
「スタートのタイミングが合わず後方から。ペースもスローで、この馬にはちょっとつらい競馬になってしまったね」
国枝栄調教師がこう振り返るのがロジチャリスの前走・東風S(3着)。過去に最速上がりをマークしたのは福島の未勝利戦のみ。切れ味勝負型ではない同馬にとって、ラスト2ハロン11秒1→11秒2の瞬発力比べはいかにも分が悪かったと言えようか。
「本来はスタートのいい馬。発馬を決めてせかさずにタメて行ければ、重賞でもいいところがあると思うんだけどな。結果は15着に終わったけど、昨夏は(モーリス相手の)GII札幌記念でもけっこうやれるんじゃないかとひそかに期待したほどだから」
前走勝ち馬グレーターロンドンは出走回避。さらに下り坂の週末予報とメンバー構成を見れば、極端な決め手比べは避けられそう。どうやらこちらも高松宮記念馬セイウンコウセイ同様の追い風が吹いてきた気がする。「理想は内枠」(国枝師)の願いがかなえば、波乱の重賞には前走3着がちょうどいいステップになりそうだが、果たして結果は?(美浦の宴会野郎・山村隆司)
【掲載場所変更のお知らせ】
当コラムは毎週水曜日掲載の『吉田竜作マル秘週報』を除き、2017年4月よりニュース枠にて連載いたします。なお、各掲載日時に変更はございません。引き続き、「東スポ×netkeibaコラボ」のご愛読をよろしくお願いいたします。
netkeiba編集部