2月2日、大井「金盃」。ブラウンシャトレーが文字通りの横綱相撲で完勝した。内枠から好スタートのベルモントストームが先手をとり、以下、コアレスハンター、サクラハーン、ブラウンシャトレー。中団にナイキゲルマン、少し遅れてクールアイバー、ジェネスアリダー。1000m通過61秒5。緊張感は保ちながらも、きわめて淡々と流れてゆく。ブラウンシャトレーは3〜4コーナー、鞍上が仕掛けるまでもなく、ごく自然に位置取りを上げていった。明け8歳馬。しかし、それでいてこの闘志、競馬センスは、やはり円熟という言葉に説得力があるだろう。直線馬場の真ん中から一気に先頭。そのまま力強く押し切った。外を伸びたクールアイバーが2着。インをすくったウエノマルクンは首差の3着。ベルモントストーム、コアレスハンターは追われてからが案外で、ナイキゲルマンもあまり収穫を感じさせない6着だった。
金盃(サラ4歳以上 ハンデ 南関東G2 2000m 良)
◎(1)ブラウンシャトレー (57.5・張田) 2分05秒2
○(2)クールアイバー (55・石崎駿) 1
△(3)ウエノマルクン (53・柏木) 首
(4)ヤスミダブリン (53・今野) 3
▲(5)ベルモントストーム (53・石崎隆) 1/2
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△(6)ナイキゲルマン (55・的場文)
△(7)ジェネスアリダー (55・桑島)
(10)サクラハーン (53・内田博)
△(15)コアレスハンター (57.5・吉井)
単520円 馬複3400円 馬単4870円
3連複25430円 3連単113130円
ブラウンシャトレーは、一昨年秋、東海から船橋・岡林厩舎へトレード。以後東京シティ盃、マイルグランプリ、そして今回と大井重賞3勝を積み上げた。生涯記録といえばこれで重賞10勝目。ただ、以前はどうにもなまくら四つ、距離適性を含めつかみづらいイメージで、結局このトレードが大成功、ひと皮もふた皮もむけた印象が濃い。「走ること、競馬をすることに積極的な馬。年齢は関係ないと思う。まだまだ活躍できますよ」(張田騎手)。昨夏左眼に外傷を負い、視力に不安な面があるという。「心配だったスタートもポンと切れたし、驚くほど集中して走ってくれる」(岡林調教師)。アジュディミツオーを別格に置くと、いかにもふがいない現南関東古馬OP。それでも時計2分05秒2は、過去10年中3番目である。
クールアイバーは、結果的にまたとないチャンスを逃がした。道中じっくりタメがきき、GOサインからの反応も期待通り。父ミスターシービー、おそらく最期の産駒だろう。自身晩成型らしい歩みだが、古豪にこれだけ走られると、残念ながら絶対能力の壁がある。ウエノマルクンは、いつものまくりではなく、直線インを突いた柏木Jの好騎乗か。ナイキゲルマンは、もはや重賞で好勝負する地力自体、疑問かもしれない。外国産馬で元より早熟のきらいがあった。ベルモントストームは、およそ半年ぶりながら仕上がった馬体で、道中の反応など文句なし。逆にいえば成長力微妙だが、ひとまず次走を正念場と考えたい。昨春京浜盃の豪脚がはたして本物であるのかどうか。2月23日地元船橋「報知グランプリカップ=1800m」、3月まで待つとすれば、9日大井「東京シティ盃=1400m」。いずれにせよこれで終わってほしくない。
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エンプレス杯(川崎2月9日 サラ4歳以上牝馬 別定 統一G1 2100m)
◎ジーナフォンテン (56・張田)
○レマーズガール (56・武豊)
▲オルレアン (54・藤田)
△グラップユアハート (55・安藤勝)
△アイチャンルック (54・山田信)
△トーセンジョウオー (54・蛯名)
△ロイヤルセランガー (54・安部)
プルザトリガー (55・内田博)
エイシンアザレア (55・川原)
ホウザングラマー (55・的場文)
レマーズガール頂点に、久しく力関係が動かない統一牝馬Gロード。昨年はレマーズガール→グラップユアハート→ジーナフォンテンの決着で、近況、斤量からは、今回さらに片寄った人気が予想される。ただしレマーズ自身、牡馬にまったく通用せず、一連の時計も甘い以上、客観的なレベルは低いと思う。流れひとつでそろそろ破綻…。無根拠ながら、あえてもう一度逆らった予想を立てた。
ジーナフォンテン。一昨年同レースをネームヴァリュー、ビーポジティブ相手に圧勝、当時2分16秒3(昨年レマーズ=16秒7)の時計で駆けている。川崎2100mがベストであること。再転入3戦目、久々に完調で臨めること。前走TCK女王盃はレマーズと1馬身差で、内にササる右回りを考えると悪くない。上山→船橋→JRA→船橋、紆余曲折があった7歳馬。しかしキャリアは計29戦、地方馬としては一貫大事に使われている。“活力”さえ残していれば逆転可能な力関係。金盃を完璧に乗って勝った張田騎手。気分とバイオリズムもいいはずだ。
オルレアンは前走TCK女王盃2着。道中早めに動き、見方によってはレマーズとほぼ内容互角の競馬をしている。少し時計のかかる地方ダートがペターだろう。グラッブユアハートは対レマーズ1勝7敗。その1勝が1600mだけに今回トーンダウンは否めない。思い切った直線勝負でアイチャンルックの爆発力。アクイレジアを下した距離、コース適性でトーセンジョウオー。プルザトリガーは前走得意の大井で大敗したあたり、あるいは賞味期限が切れているか。東海移籍で2連勝、復活ロイヤルセランガーが気配次第のダークホース。