スマートフォン版へ

2番人気ならば迷わずここから!/アルゼンチン共和国杯

  • 2017年11月02日(木) 18時00分

■アルゼンチン共和国杯(G2・東京芝2500m)フルゲート18頭/出走16頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 ハンデ重賞となれば、やはり気になるのが「斤量」について。ここでは、前走&今回での斤量が結果にどのような影響をおよぼしているかを解説する。まずは前走斤量だが、こちらは完全に「背負っていた組」の馬が強く、55キロ以下だった牡馬で好走したのは3頭しかいない。しかも、すべて3着で連対例はゼロ。つまり、前走斤量55キロ以下の牡馬は、3着にくるのが精一杯ということだ。

 対照的に、前走で56キロ以上を背負っていた馬は絶好調。とくに強いのが57.5キロ以上を背負っていた牡馬で、こちらは[4-4-1-18]で連対率29.6%、複勝率33.3%、複勝回収率102%という素晴らしい成績である。牝馬は出走例自体が少ない(過去10年で9回)ので何ともいえない部分があるが、前走で斤量を背負っていた組が強いという傾向は、おそらく共通すると思われる。

 また、斤量を背負う組が強いというのは、前走だけではなく今回も同じ。ハンデが重くなれば重くなるほど、信頼度がアップしているのが見てとれるはずだ。増減についても、前走からの比較で増えているほうがベターで、こちらは勝率13.0%、単勝回収率143%と、1着で狙ってみるのも面白そうだ。

 以上のデータから、アルバート(前走57キロ→今回58.5キロで斤量増)、カレンミロティック(前走56キロ→今回57キロで斤量増)、ヒットザターゲット(前走56キロ→今回57キロで斤量増)の3頭を、特注データ推奨馬としたい。

【コース総論】東京芝2500m Bコース使用

※今回は東京芝2400〜2500mをデータ集計の対象としています

・コースの要所!

★人気サイドの信頼度が高く回収率も優秀。極端な穴狙いは禁物かも。
★信頼度は「内>中>外」の順だが、平均人気を考えると中枠が好調。
★中団からの差しが完全に優勢のコース。最速上がり馬の成績も優秀。





 目黒記念とアルゼンチン共和国杯でしか使われていない、東京の芝2500m。スタート地点が4コーナー寄りに100mズレるだけなので、コース形態は芝2400mとほとんど変わらない。坂下からスタートになるので、テンのダッシュ力が削がれる部分はあるかもしれないが、距離が2500mもあるので、大きな影響はないはず。というわけで、今回はこの2コースを集計対象としている。

 まずは人気別成績だが、1番人気は[20-16-10-23]で連対率52.2%、複勝率66.7%と高信頼度。複勝回収率も94%と高く、じつに優秀な内容といえる。ほかの人気サイドも総じて内容が良く、人気薄がその割を食っているカタチとなっている。基本的には、人気馬を素直に信頼すべきコースといえるだろう。

 次に枠番だが、信頼度の高さは「内>中>外」という序列。ただし、内枠である馬番1〜6番の平均人気が8.2と突出して高いのを考えると、信頼度にこの程度の差が出て、当然といえば当然だ。それを踏まえると、枠番値がプラス0.4と高い馬番7〜12番の「中枠」も、内枠と互角以上の内容といえそう。外枠である馬番13〜18番は、やはり不利である。

 最後に脚質面だが、中団待機組が先行勢を圧倒。信頼度の高さでも、回収率の高さでも上回るという強さを見せつけた。ここまで先行勢との差が出るコースは非常に少なく、きわめて差し優勢と考えるべき。上がり3F順位が上位だった馬の成績も、全体的に良好だ。さすがに後方に置かれると厳しいので、その点だけは注意したい。

【レース総論】アルゼンチン共和国杯(G2) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は不振も、2〜4番人気がカバー。上位人気はトータルで強い。
★完全に内枠が有利。「内>>中>>>>外」くらいに外枠は厳しいか。
★コースデータよりも先行勢優勢も、上がりの速さはかなり重視すべき。
★4歳以下の若い馬が好成績。好走馬は前走芝2000〜2400m戦組ばかり。








 アルゼンチン共和国杯の平均配当は、単勝759円、馬連3455円、3連複1万9800円。1番人気が[2-1-1-6]で連対率30.0%、複勝率40.0%とイマイチな結果に終わっているわりには、馬連平均の低さが目立っている。その要因が「2〜4番人気の強さ」で、トータル[6-8-4-12]で連対率46.7%、複勝率60.0%と、1番人気の不振を補ってあまりあるものだ。3連複配当の高さを考えると、ここから人気薄に流す馬券がオイシイ。

 枠番データで信頼度が高いのは中枠である馬番7〜12番だが、内容的に注目すべきは内枠である馬番1〜6番。平均人気9.5に対して平均着順8.4で、枠番値はプラス1.1という圧倒的な高さとなっている。対照的に、コースデータよりもさらに不振が目立つのが、外枠である馬番13〜18番。ここに入った馬には、大幅な割引が必要となりそうだ。

 脚質データも、コースデータとはいささか異なっている。4コーナーを6番手以内で回った先行勢が[7-5-5-52]と好成績で、コースデータほど差せていない。このあたりは馬場との兼ね合いにもなるが、直線の長い東京コースのわりには、先行勢を買いやすい重賞といえそうだ。ただし、上がりの速さは超重要で、上がり最速〜3位の馬は、すべて複勝率60.0%以上という好成績である。

 年齢別では4歳馬が、なんと過去10年で8勝をあげている。馬券に絡んだ馬の過半数が4歳馬というシェアの高さで、さらに出走数の少ない3歳馬も複勝率66.7%をマークと、若くて勢いのある馬が強いレースであるのは間違いなし。買えたとしても5〜6歳までで、好走例がまったくない7歳以上馬は、よほどの強調材料がないと手を出しづらい。

 前走距離別成績も、かなり偏っている。昨年はアルバートが天皇賞・春からのローテで2着に好走したが、これは間違いなくレアケース。馬券に絡んでいる馬のほとんどが、前走で芝2000〜2400m戦に出走していた。あとは、関東の重賞ながら関西馬のほうが格段に強いこと、前走馬体重480キロ以上馬が3着以内馬の3分の2を占めていることなどにも注目したい。

 最後に、人気についてもう少し突っ込んで触れておこう。1番人気が弱く2〜4番人気が強いレースであるのは解説したが、具体的には単勝オッズが4倍〜6.9倍あたりを狙うのがオイシイ。単勝1.0〜6.9倍という広い範囲のトータルでも、連対率46.4%、複勝率57.1%、複勝回収率101%と、期待値の高さは申し分なし。netkeiba.comでの予想オッズからは、現在3番人気のセダブリランテスが注目株といえそうだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きBコース。馬場ダメージがどの程度かを金曜日に判定すべき。

・天候予測
 金曜日〜日曜日の3連休はいずれも晴れる見込み。久々に良馬場開催。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎

 何よりも気になるのが、芝コースのダメージである。近年でも例がないほどの泥んこ馬場で、しかもそれが続いたのだから、例年の東京芝とはまったく違う傾向となってもおかしくはないはず。時計のかかる馬場となる可能性が高いとは思うが、こればかりは実際に確かめてみないと何ともいえない。幸いにも今週は良馬場見込みなので、金曜日のうちにしっかりチェックしておきたい。

 血統面は、ディープインパクト産駒だけをプラス評価。キングカメハメハ産駒やハーツクライ産駒、ハービンジャー産駒あたりも十分に好成績だが、プラス評価の馬が過半数では意味がなくなる。連対率、勝率のいずれも図抜けて高い、ディープインパクト産駒だけをプラスに評価するのが妥当と思われる。

★出走馬・総論×各論

 今年のダービー2着馬であるスワーヴリチャード、3戦3勝でラジオNIKKEI賞を制したセダブリランテスと、2頭の3歳馬が参戦する今年のアルゼンチン共和国杯。迎え撃つ古馬も、昨年の2着馬であるアルバート、長距離戦を得意とするレコンダイトやプレストウィックなど、なかなか面白いメンバーが出走してきた。

 netkeiba.comでの予想オッズは、3歳馬のスワーヴリチャードが1番人気。差のない2番人気にアルバートが続いている。少し離れて、セダブリランテス、プレストウィック、ソールインパクト、デニムアンドルビーなど。いわゆる「二強」オッズであるが、1番人気が弱く2〜4番人気が非常に強い重賞であるのは、前述の通りである。

 それもあって、トップ評価はアルバート。前走57キロ→今回58.5キロで斤量増という冒頭の「特注データ」該当馬であり、それ以外にも強調材料が多い一戦となった。圧倒的な強さを誇る4歳馬が1頭もいないというのも、5〜6歳である本馬にはプラスに働くはずで、馬場が荒れて少し時計のかかる状態になりそうなのも歓迎。東京芝実績や、中団から差す脚質もピッタリで、文句なしに「買い」といえる。

 二番手評価にスワーヴリチャード。ダービー以来で古馬との初対戦というのは楽な条件ではないが、ここまで無理せずに状態が上向くのを待ったのだから、いきなりから走れるデキにはあるはずだ。トビが大きく綺麗な馬なので東京向きであるのは間違いなく、若い馬が強いレースであるのもプラス。ハンデも56キロならば妥当なところで、この鞍上も間違いなく強調材料だ。

 三番手評価にプレストウィック。長距離戦では上位争いをしている馬で、札幌の丹頂Sからここに向かうのは、昨年とまったく同じローテ。6歳馬だがまだ伸びている印象で、ここならば上位争いができても不思議ではない。ハンデも55キロと手頃で、この中間の稽古での動きも良好。10着に終わった昨年のリベンジを、ぜひ期待したい。

 以下はセダブリランテス、カレンミロティック、シホウ、ヒットザターゲット、レコンダイトという評価の序列。最終的にアルバートが2番人気となるならば、迷わずここから流す馬券で勝負だ。スワーヴリチャードに関しては久々でもあり、パドックや返し馬での気配もしっかりチェックしたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧



東京11レース 天皇賞・秋(G1)
1着 07キタサンブラック
2着 02サトノクラウン
3着 08レインボーライン

1着2着……4着!(#^ω^)ビキビキ

ちなみに「ウマい馬券」では、02サトノクラウン本命も07キタサンブラックを2着でしか買っておらず、08レインボーラインを押さえていながらハズレ。ついに知人から「アレってわざと外してるんでしょ?」と言われたアルヨ(憤怒)。これでも毎週、いたって真面目に買ってるんです……!

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング