▲体重管理や競馬のアイテム、大先輩・内田博幸騎手のことまで、ユーザーの質問に一気にお答え!(撮影:武田明彦)
今回は2か月ぶりのユーザー質問特集。一気に4本お届けします! まずは「体重管理」に関する質問から。身長165cmで一見がっちりした体つきの笹川騎手ですが、実際の中身はちょっと違うんだとか。ジョッキーのリアルな食事事情とは。さらに笹川騎手のコアファンと思われる方からの質問も。競馬中に身につけているアイテムの真相が明らかになります。(取材・文:赤見千尋)このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。笹川翼騎手へ「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。
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今の体重がしっくり、レース前は500〜600gを微調整
Q. 笹川騎手は体重管理はどう気をつけていますか? 体質的にあまり変動がないタイプなんでしょうか?(HN:万丈さん)
笹川 そうですね。体質的に体重管理が苦しいという感じはないですけど、暴飲暴食は控えて、バランスのいい食事を取ることを心がけてます。あとこれは競馬界の方みんなだと思いますけど、1日2食ですね。朝の調教が終わってからの1食と、夕方の1食です。
――けっこうがっちりした体つきに見えますけど。
笹川 身長も165cmくらいあるのでそう見えるのかもしれないです。でも骨が細いので、筋肉があってもそんなに重くならないんですよ。デビューした時は今よりだいぶ軽くて46kgくらいだったんですけど、今は筋肉がついて51kgくらいになりました。今の方が体としてはしっくり来てますね。ジョッキーは軽ければいいというものじゃないじゃないですか。斤量に合わせるので、軽すぎてあんまり鉛をつけたりするのもね。今は自分の体が51kgより重いと、レースの時に少し重いなぁという感覚はあります。
――ジョッキーは500gの違いも感じるって言いますもんね。
笹川 いつもだいたい同じくらいに調節しているので、それより重いと体の動きで感じますね。レース前はお風呂に入ったり、体を動かすと500〜600gくらい落ちるので、そこで微調整をしています。汗取りというほどではないですけど、少し落としてからの方が体の動きがいい気がするので。
――ジョッキーの減量に関しては、ダイエットをしている方々にとっても興味があると思うのですが、暴飲暴食を控える、バランスのいい食事を心がける、ということ以外に気を付けていることはありますか?
笹川 しっかり食べてますけど、お米はあんまり食べないですね。これは他のジョッキーも同じ感じです。炭水化物をガツガツ食べている人はあんまり見ないですね。お肉は好きな人が多くてたくさん食べてますけど。バランスのいい食事といってもなかなか難しいですけど、今は奥さんが食事を作ってくれてサポートしてくれるので、本当に助かってます。
Q. 競馬中、手首につけている黒いリストバンド? みたいなのは何ですか?(HN:わたきさん)
▲両手首につけている黒いリストバンドはいったい…?(撮影:高橋正和)
笹川 あれはゴムです。勝負服が少し大きいので、押さえるために付けてます。それに、少しでも手が長く見えるようにという意味もあります。黄色の勝負服で、腕の先に黒があると目立つかなと思って。気づいていただけて嬉しいです。海外の競馬を見ていて、いいなと思って取り入れました。黒じゃないゴムもありますし、他にもつけているジョッキーもいますよ。
Q. 大井の大先輩である内田騎手が打ち立てた年間最多勝記録(524勝)を打ち破りたいですか?(HN:うまたせたさん)
⇒うまたせたさんからのメッセージウチパクさんも的場(文男)さんや石崎(隆之)さん桑島(孝春)さんなどの牙城を崩しリーディングに輝き、ついには佐々木(竹見)さんの記録も抜いた。翼君にもぜひ、ウチパクさんのようにトップ騎手を超えて記憶そして記録にも挑戦してほしいです。
笹川 それはもちろん破りたいですけど。でもちょっと今の僕には想像ができない数字なので。今の状況だと断トツのリーディングになったとしても300勝という感じじゃないですか。300勝もものすごい数字だと思うのに、そこからまだ200勝以上ですからね。すごすぎる数字です。内田さんは本当にすごいと思います。今の僕には現実的に目指せる数字ではないですけど、いつかそこを目指せるジョッキーになりたいです。
――今の目標は何ですか?
笹川 近いうちにリーディングを獲ることです。着実に進んでいる気はするけれど、ここからもう一つ殻を破らないといけないなと。今の自分のままでは獲れないという自覚はあります。南関東は層が厚いですし、きっかけ一つで流れが大きく変わるので、現状に満足せず常に危機感を持って頑張ります!
Q. 昨年のフランス遠征から1年経ちましたが、次に行くとしたらどの国に行きたいですか?(HN:もやしさん)
笹川 アメリカに行ってみたいです。またフランスにも行きたいですけど、フランスを見たからこそアメリカのダート競馬を体験してみたいという気持ちが大きくなりました。アメリカの方がスピード競馬ですし、坂路もないと聞いているので、ヨーロッパよりは南関東に近いかなと思って、実際に見て取り入れられることもあるんじゃないかなと。今は具体的なプランはないですけど、またきっかけを作って行きたいです。
――フランス遠征から1年経って、乗り方や考え方に変化はありましたか?
笹川 いろいろな面でありますけど、馬とのコンタクトが前より密になったかなというのはあります。
――外から見ていると、ムリしてハナに行くという場面があんまりないなと思うのですが。
笹川 そうですね。もちろんムリしても行った方がいい馬は行きますし、指示されれば行きますけど、そういう場面以外では、ムリしてまで行かなくてもいいかなと。そこは馬と自分のリズムの方を意識してます。ただ、馬と自分のリズムが合えば自然とゲートは出るし、ダッシュもついてスムーズに前に行けるんですよ。だからそこを大事にしていきたいです。
※次回の掲載は12月18日(月)予定です