◆味はさすが安定のかしわやさん、ご飯もボリュームたっぷり 的場文男騎手による地方通算勝利数の記録達成は、ちょっとした、いや相当なイベントだった。可能性があったので佐賀(8月5日)まで追いかけた。その後、佐々木竹見さんの記録に並んだ浦和(8月6日)は自宅が市内なので、まだ楽だったが。
それにしても、記録更新まであと2勝と迫る地方通算7150を挙げた8月1日から、記録達成の8月12日まで、的場騎手が騎乗した競馬場で雨が降らなかったのは、追いかけたぼくらにとっても、ずっとついてまわっていた大井の主催者の方々にも、そしてファンのみなさんにとっても、ゲリラ雷雨のあるこの時期を考えればまことに幸運だった。
さらに個人的なことを言うと、8月12日は船橋からリッカルドも出走するエルムSの取材で札幌競馬場に行こうかと考えていたのだが、やっぱり大井と思い直すことができたのも幸運だった。
浦和でリーチをかけ、大井開催に戻ったその12日。最初の騎乗となったのが第3レース。スタートでダッシュがつかず、後方でムチを入れている的場騎手の姿がビジョンに映ったときには、スタンドのファンから「あぁ」という溜息のような歓声が上がった。
そして迎えた第5レース。好スタートを切って先頭に立つと、今度は拍手が沸き起こった。逃げた的場騎手に、3番手以下を離して掛かり気味に競りかけてきたのが和田譲治騎手だった。思い起こせば、7000勝達成にリーチがかかっていた2017年5月12日の大井メインレース。的場騎手と和田騎手の一騎打ちとなり、直線で一旦は的場騎手が前に出たものの、12番人気馬に騎乗していた和田騎手が差し返してクビ差。7000勝達成を阻んだということがあった。これが金曜日で大井開催最終日。7000勝達成は翌週の川崎開催へと持ち越されたということがあった。
和田騎手との競り合いには、そんな因縁を思い出したファンや関係者も少なくなかったのではないだろうか。しかし今回、的場騎手の騎乗馬のほうが力が抜けていた。直線であっさりと突き放し、ゴール前は手綱を緩める余裕の勝利で記録達成。もちろんスタンドのファンは大歓声だ。
ウイニングランをするのかと思いきや、向正面で向きを変え、ほかの馬たちと同じように戻ってきた的場騎手。しかし検量室前には向かわず、ゴール板過ぎまで戻ると、右手を挙げて一礼。ファンの声援にこたえていた。
「(記録達成したら)ウイニングランをやってくれと主催者からは言われていたんですが、1周回ってくるのは暑くて馬がかわいそうなので、スタンド前、ゴール板過ぎまで戻ってファンに感謝の気持ちで挨拶しました」と的場騎手。そうした状況でも馬のことを第一に考える的場騎手の姿勢には感心させられた。
地方通算勝利数の日本記録を更新した的場文男騎手
直後の表彰式を終えて、一段落。そういえば……、腹が減った。店を探そう。
いや、探すまでもなく、大井競馬場では利用回数がダントツで多い、L-WINGのかしわやへ。すると、なんと! 2〜3開催ごとに替わる名物のL-WING丼が、こんなのになっていた(左)。
2〜3開催ごとに替わる大井名物“L-WING丼”
星型コロッケは、たしか地方通算7000勝達成記念として登場した豪華700円のうどん/そば以来。それが今回、的場騎手の好物と言われている(実のところそれほどの好物というわけでもないらしい)カレーライス、ではなくカレー丼に。
ご飯もボリュームたっぷりのカレー丼
カレー丼自体は普段からメニューにあり、味はさすが安定のかしわやさん。ご飯もボリュームたっぷり。
そして気になったのが翌日。上記、記録達成当日のメニュー写真には、「的場ジョッキー、あと1勝頑張れ!!」と書いてあったのが、さてどうなったか。
記録達成翌日、メニュー写真は…
メニューの写真は同じでも、「的場ジョッキー、記録更新おめでとうございます!!」と変わっていた。かしわやさんの迅速な対応、さすがです。とはいえ、おそらく記録達成を見越してあらかじめて準備していたものとは思われますが。
記録達成記念の星型コロッケのせカレー丼を食べに、急げ! L-WING 2階のかしわやへ。今回の大井開催は17日まで。
ちなみに次回8月27〜30日の大井開催では、28日を『的場DAY』として、あらためての表彰式や、先着順で祝賀Tシャツ「マトT」プレゼントなど、的場騎手の記録達成に関連したさまざまなイベントが行われる予定となっている。その開催まで、星型コロッケのせカレー丼があるのかどうか……、すみません、確認していないのでわかりません。