▲ブラストワンピースは新潟記念(GIII)を制し、万全の状態で“本番”へ(撮影:下野雄規)
クラシック戦線を異端ローテで歩むブラストワンピースが、菊花賞への試金石として選択した新潟記念(GIII)を勝利。古馬初対戦にもかかわらず、ステッキ不要の快勝ぶりに鞍上の池添謙一騎手も「良い内容だった」と納得のコメントを残すなど充実のステップとなりました。ただ今回のレースに至るまで陣営にも様々な試行錯誤があったはず。最近ではGIでのテン乗りも珍しくないなか、哲三氏がこの新潟記念を例に、本番に向け試行錯誤できることのメリットを解説します。(構成:赤見千尋)
コンビで経験を積む=引き出しを増やす作業
新潟記念は注目していたブラストワンピースが、大外から豪快に伸びて見事な競馬を見せてくれました。まだ3歳であり、コンビを組む(池添)謙一君は先々のことも考えての騎乗だったと思いますが、馬に合わせて実力を上手く発揮させましたね。
今回のレースでは、スタートして位置取りどうこうよりも、少しでも長くリラックスして走れるように、ということに重点を置いていたのではないかと思います。休み明けであり、次に大目標の菊花賞が控えている、という状況で、おそらく厩舎陣営や謙一君が考えていた通りの競馬ができたのではないでしょうか。
後方3番手の位置から、道中では折り合いを気にするところもなかったと思うし、直線で外に出すとステッキを使わなくてもグイグイ伸びて来た。最後に大外まで持ち出しているところも、余裕を持って自分で選んで外まで持ってきているわけで、改めて力のある馬だなと感じました。
■9月2日 新潟記念(1番:ブラストワンピース)
向正面で一回肩ムチを入れて気合を入れていたのは