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新鮮力・エコルプレイス

  • 2005年08月29日(月) 17時22分
 8月31日、大井「アフター5スター賞」には、大物転入馬が登場する。エコルプレイス。ユートピアと同世代の5歳快速ランナー、むろんまだまだ働き盛り。タイトルこそ3歳夏「グランシャリオカップ=交流GIII」1つだけだが、オープン欅Sをニホンピロサート相手に完勝し、今冬東京「根岸S」もメイショウボーラーの3着だった。556kg(大井調教試験時)。いかにも地方ダート向きを思わすパワフルな馬体と走法。川島正行=内田博Jのコンビがどう潜在能力を開花させるか、大きな興味と夢が浮かぶ。金子真人オーナー。いずれにせよこのトレードは大英断といえるだろう。ダート交流重賞、現ルールではエコルプレイスの戦歴だと、常に除外対象(補欠)になってしまう。高齢のG?馬がおよそ不当なアドバンテージを持っていること。結果、ファンが見たい、走らせたい、旬の馬がはじき出される。同一馬の年間出走回数上限など、特別ルールも考えてしかりと思う。何よりこのままではファンの興味がそがれ、馬券も売れない。

アフター5スター賞(サラ3歳上 別定 南関東G3 1200m)

◎エコルプレイス   (57・内田博)
○イシノファミリー  (57・的場文)
▲ブラウンシャトレー (57・張田)
△スピニングアロー  (57・御神本)
△ハタノアドニス   (57・石崎隆)
△ロッキーアピール  (57・今野)
△ベルモントソレイユ (57・酒井)

 JRAからの新顔はまず疑ってかかれ…が記者の予想セオリーだが、ここはひとまず素直にいく。勢いのあるスプリンターは能力勝負、時計勝負、おおむね期待通り走れるはず。問題は相手だろう。実績はハタノアドニス。しかしすでに9歳、エッセンスは出しつくした…というのがやはり本音で、どうにも食指が動かない。それならブラウンシャトレーだが、昨年マイルGPを勝ったあとこのレース3着。電撃戦の6Fだと、微妙に脚を余す懸念がある。スピニングアロー。こちらは前走サンタアニタトロフィー、張田Jのファインプレーなど、うまくいきすぎの印象が拭えない。

 本線イシノファミリーとした。重賞3勝は左回り1600〜1800m。大井コース、1200mとも良積がないが、これは適性以前に経験自体が少ないため。ビュッと切れるレースぶり、イシノサンデー×ロイヤルスキーの血統背景。大きな減点になるとも思えない。前走的場文Jと初コンビ、船橋オープン(1600m)をベルモントストーム相手に圧勝した。ケージーチカラ(大井記念)しかり、ボンネビルレコード(黒潮盃)しかり、今の同騎手は円熟のひとことで、ここ一番の勝負勘がとにかく凄い。

     ☆     ☆     ☆

 2歳馬情報。8月下旬の川崎競馬、船橋競馬では、レベルの高い新馬がデビュー勝ちを飾っている。ここまでの南関東2歳戦。2勝以上あげた中からクラシック候補を拾ってみると、グッドストーン(船橋・父ディアブロ)、キングトルネード(川崎・父カコイーシーズ)、アタゴハヤブサ(大井・父ヴィクトリースピーチ)あたりだろうか。しかし、この3頭とも距離延長で期待ほどの時計が出ず、裏付けがまだまだ乏しい。鎌倉記念(川崎・10月10日)→平和賞(船橋・10月26日)→ハイセイコー記念(大井・11月16日)と続くチャンピオンロード。新星登場に期待する。

▼アジュディビルダー(牡、川崎・八木仁厩舎)
 押してハナ。並んできたラヴリージョウと一騎打ちになり、最後1.1/2馬身突き放した。道中手応えはむしろ劣勢とみえたが、逆に追ってから味がある。何より53秒8(良)の時計に驚かされた。同厩舎の2連勝馬キングトルネード54秒3(失格=参考タイム)を大きく凌ぎ、今季900m・No.1。「キングトルネードと併せても、だいたいこちらが先に来る。期待通りの走りでしたね」(八木仁師)。アジュディケーティング×ヌレイエフの血筋は南関定番といえるだろう。477kg、ガッシリした好馬体。単なるスピード馬では終わらない。

▼エスプリメガミ(牝、川崎・武井榮一厩舎)
 抜群のスタートダッシュで軽快な逃げ。最後後続に10馬身。鞍上・左海Jの手綱はピクリとも動かなかった。900m・54秒2(良)。余裕を含めると前述アジュディビルダーとほぼ互角に評価できる。431kg。牝馬だけに一見華奢だが、心肺機能、精神面など、芯に強さを秘めているか。「稽古ではまだビッシリ追ったことがない。上々でしょう。これから実が入ってくれば…」(武井師)。アラジ×キンググローリアス。血統からは成長力、距離延長への対応力もありそうだ。現時点で浦和桜花賞候補のイメージが浮かぶ。

▼キングハバタケ(牡、船橋・大友勝利厩舎)
 3〜4コーナー、人気を分けたダガーズアラベスク(ダーレー、船橋・川島正行厩舎)と並び、後続を大きく離す一騎打ち。しかし意外なほど早く決着がつき、最後は4馬身差の独走だった。1000m・1分00秒1(不良)。台風接近の軽い馬場、少し割り引くとしても大物ゆえの数字だろう。キンググローリアス×ポリッシュパトリオット。血統は典型的なスプリンターだが、パドック、返し馬とも落ち着きがあり、それだけではない可能性も十分漂う。次走距離延びて試金石か。510kg台の馬体は上積みを感じさせる。

▼キンタマーニ(牡、船橋・渋谷信隆厩舎)
 ややアオったようなスタートで、道中は中団。しかし3〜4コーナー、外に出すと行き脚が一変した。直線中ほどで先団をゴボウ抜き。何ともダイナミックなレースぶりで初戦を飾った。448kg。牡馬にしては小柄だが、バネのきいた走法でフットワークがきわめて大きい。父はウッドマン×ノーザンダンサーの背景を持つゼンノメイジン(JRA未勝利)。案外面白い血統でもあるだろう。1000m1分00秒6(不良)。同日同タイムで勝ったヘブンズコメット(船橋・岡林厩舎、父タイキフォーチュン)とともに注目馬。ちなみに馬名は、バリ島にある地名(キンタマーニ高原)とのこと。念のため。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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