▲3月後半に2勝を挙げた小牧騎手
遅ればせながら、今回は3月後半のレース回顧を。カミノコで4勝目、フォーカードで5勝目を挙げた小牧騎手ですが、どちらも勝機を引き寄せたキーワードは“連続騎乗”。はたして前走、前々走で得た手応えをどう生かしたのか。じっくりと振り返ります!(取材・文:不破由妃子)
人気はなかったけど、いい勝負になるんじゃないかと思っていた
──今回は、3月中旬以降のレース回顧を。3月16日にカミノコ(4歳上500万下・2番人気1着)、3月24日にフォーカード(4歳上1000万下・7番人気1着)で勝利し、4勝目、5勝目とポンポンときましたね。
小牧 そうやね。チャンスのある馬が出てきた。続けて乗っていれば、そのチャンスの生かし方もわかるし。
──カミノコは3度目の騎乗で結果につなげました(4月7日の昇級戦、天王寺特別は、13番人気7着)。
小牧 前走、前々走は真ん中の枠で、どちらも窮屈なレースになってしまった。もともとスタートがあんまり速くないからね。外枠が当たったら絶対に勝ち負けできるのになぁと思っていたら、今回は外枠が当たって。思っていた通りのレースができたわ。
──内枠を引きたいというのはよく聞きますが、カミノコの場合は外枠が理想なんですね。
小牧 うん。外のほうが自分のペースで走れるから。切れる脚がある馬は内でじっくりタメたいところやけど、切れ味勝負ではない馬の場合は、やっぱり流して乗ったほうが力を発揮できる。
──実際、4コーナーは外から持ったままで上がってきて。
小牧 3回目の騎乗で馬のこともよくわかっていたから、タメても仕方がないなと。だから、相手を気にせずに自分のペースで飛ばしていった感じやね。ただ、4コーナーの時点では、勝てるまでの確信はなかったよ。とにかく一生懸命追ってきたわ。
──翌週は、フォーカードで大外一気。フォーカードといえば、泥んこ馬場の新馬戦で内から鋭く抜け出してきた馬ですよね。
小牧 そうそう。あのときはどこを突こうか選ぶくらいの余裕があったから器用なイメージがあったんやけど、ここ2戦乗ってみて、ちょっとタイプが変わってきたかもしれん。前回はとにかくエンジンの掛かりが遅くて、完全に脚を余してしまって。で、「1800mを使ってみたらどうですか?」って言うてね。
──距離延長は小牧さんの進言だったんですね。
小牧 うん。それが奏功したね。距離を延ばしたこともよかったけど、今回は前回の反省を生かして早めからバシバシいきましたわ。3コーナーからムチを入れ始めたからね。
──そうだったんですね。正直、早々に手応えがなくなってしまったのかと…(苦笑)。
小牧 いや、エンジンが掛かれば伸びてくれるのはわかっていたから、絶対に脚を余したくなくて。なんせ前回はゴール板を過ぎたらすぐに先頭に立ったもん。
──なるほど。それだけ勢いがあったということ。ジョッキーはそういうところで次走への手応えをつかむんですね。
小牧 そうやね。だから、人気はなかったけど(7番人気)、僕はいい勝負ができるんじゃないかと思ってた。時計も速かったし、1800mあたりならこれからも楽しみや。
──そうですよね。クラスが上がればペースも変わりますが、脚質的に速くなるのは歓迎でしょうし。
小牧 うん。時計が出る流れなら、次はあそこまで叩かなくてももっと楽に走れるんちゃうかなと思う。しかし、この前は人間も元気がよかったね(笑)。3コーナーから追い始めて、よう最後まで体力が持ったわ。しんどかったけど、頑張りました(笑)。
──馬を動かす騎乗は、小牧さんの真骨頂ですからね。最後に阪神大賞典のサイモンラムセス(11着)について、ユーザーからこんなメッセージが。「小牧騎手が重賞に騎乗しているとなんだかうれしくなります。ただ、阪神大賞典のサイモンラムセスは、ちょっと見ていてつらかったです。故障とかではないんですよね? これからも小牧騎手とサイモンラムセスのコンビを応援し続けます!」。
小牧 僕もあれはつらかったなぁ。ゴール板までたどり着けんかと思った…。ただ、故障とかではないです。完全に息切れや。あの馬に3000mは長い。でも、前にも話したように、馬は本当に若いから。放牧に出たので、ゆっくり休んでほしいね。
ゆっくり休んでまたコンビで反撃だ!