昨年の白山大賞典はグリムが重賞を連勝する形で勝利(c)netkeiba.com、撮影:武田明彦
金沢競馬場の重賞としては1981年に創設。第2回から第16回までは2600mという長距離で行われていたが、ダートグレードレースが整備され中央地方交流競走となった1997年の第17回から、現在と同じ2100mとなっている。JBCクラシックを目指す馬が前哨戦として使ってくることもあり、後のGI馬・JpnI馬も多数出走してきた。
ダートグレードレースとなって以降は、馬インフルエンザで交流競走としては行われなかった2007年を除き、すべてJRA所属馬が優勝している。ただしこの10年に限っても地元馬ではジャングルスマイルとナムラダイキチ、他地区所属馬ではサミットストーンとカツゲキキトキト(2回)が馬券に絡んでおり、実力のある地方馬も侮ってはいけないレースだ。
過去10年の1〜3着馬はいずれも5番人気以内から出ており、極端な人気薄馬を3着に狙うような馬券は組みづらい。好配当を望むならば、JRA所属馬どうしの間で人気と結果が一致しないような形の3連単だろう。過去10年でいうと2、5、4番人気で決まって3連単が2万円台になった09年や、2、4、5番人気で3連単1万円強の18年が典型だ。
金沢の2100mは2コーナーを回った先の向正面入り口がスタート地点。枠順による有利不利はなく、実際にこのレースでも内外まんべんなく好走馬が出ている。
脚質・位置取りとしてはやはり前に行ける馬が有利。窮屈さのあるコースではないが、終い一手のような競馬だとさすがに苦しい。早めに捲るような自在性は欲しい。
前に行ける馬が有利ではあるが、いわゆる「行った行った」の決着になることは少なく、道中1、2番手の馬が1、3着になったり、1着と着外に割れたりする。1コーナーの先頭と2番手の2頭でいうと、12年・14年・17年は2頭が1着と3着になり、09年・13年・16年・18年は1着と4着以下になっている。着外側には1、2番人気でもなるときはなるので注意が必要だ。またこの構図を意識しておくと、3連単のフォーメーションを構成するときに有効になる。
最後に、レース当日やそこから遡って1開催ほどのトラックバイアスにも目を配っておきたい。時期によって伸びるコースと伸びないコースがはっきり分かれることもある馬場なので、いきなり白山大賞典を買うファンより、金沢を買い続けているほうが有利な面はある。
須田鷹雄の勝負予想はレース前日に公開予定です。