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【有馬記念】「日本の馬がコックスプレートを勝つなんて」リスグラシュー有終の美へ / 矢作芳人調教師(前編)

  • 2019年12月08日(日) 18時02分
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▲有馬記念で引退を迎えるリスグラシュー、その思いを語る矢作調教師 (C)netkeiba.com


「本音を言えば、もうちょっとリスグラシューの走りを見ていたかった」――インタビュー中、そうもらした矢作芳人調教師。それもそのはず。5歳を迎えた今年、リスグラシューは過去最高に輝いていました。宝塚記念で牡馬を撃破。そして、コックスプレートで歴史的な快挙。

引退を迎えるリスグラシューへの矢作調教師の思いを、2週にわたってお届けします。今回はコックスプレートの勝利をメインに振り返り。オーストラリアは矢作調教師がホースマンとしての修行を積んだ地。それゆえに、この勝利は深い深い喜びを師にもたらしました。

(取材・構成=不破由妃子)


直線距離は173m「道中はけっこうビビってました」


──先日、リスグラシューの年内引退が発表されました。有馬記念がラストランとなるわけですが、先生のなかにも感慨深いものがあるのでは?

矢作 そうですね。宝塚記念、コックスプレートと強い勝ち方をしてくれましたから、本音を言えば、もうちょっとリスグラシューの走りを見ていたかったなと。

──まったくもって同感です。今回はそのリスグラシューについて、たっぷりお話を伺っていきたいのですが、まずは10月のコックスプレートから。外から一気に他馬を飲み込むような本当に強い競馬でした。とはいえ、直線距離が173mと短いムーニーバレー競馬場にして、道中は後方待機。どんな思いでレースを見ていらっしゃいましたか?

矢作 あのコースを知っているだけに、4コーナー手前まではずっとヒヤヒヤしてましたよ。現地で観戦したのは1982年の一度だけですが、当然、過去のレース映像はほとんど見ていて、中団より前あたりにつけてくれたらいいなと思っていたんです。

 直線が短いからといって、逃げがいいっていうわけではないんでね。ただ、それにしても後ろすぎるなと。正直、道中はけっこうビビってましたね(笑)。

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▲見事勝利に導いたレーン騎手、有馬記念で騎乗することも発表された (C)Racing Photos


──堂々の1番人気でしたからね。

矢作 出走馬の能力比較やいろんな情報からして、明らかに力は上だろうなとは思っていました。去年まではウィンクスがいたので出走頭数も少なかったけど、今年はフルゲート(14頭)。どの陣営もチャンスがあると思っていただろうし、実際にそこそこ粒は揃っていた。ただ、ものすごく強い馬はいない。それが自分の分析だったので。

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