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【オークス】今年は順当決着の可能性が大!

  • 2020年05月17日(日) 18時00分

■オークス(GI・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録25頭


★3行でわかる! オークス 攻略の糸口

1.1番人気が強いコース&レース。順当決着傾向が強め。
2.乗り替わりは大幅マイナス。キャリアの浅い馬を重視!
3.速い上がりが大きな武器に。枠番は「外」をプラス評価。

データ特注推奨馬
 ★デアリングタクト



 青葉賞というトライアルがあるダービーとは違って、出走するほぼ全馬が「未知の距離」となるオークス。まだ未完成な3歳牝馬にとっては過酷なレース条件で、序盤からガンガン飛ばしていくような乗り方は、どの馬にとっても選択しづらい。自然と折り合い重視となり、そうなれば当然ながら、最後の直線での瞬発力勝負に。こういったレースの「背景」が、結果からも色濃く感じられる。

 昨年は波乱決着となったが、基本的にはかなり順当決着傾向が強いレース。ここで掲載しているデータをご覧の通り、好走馬のほとんどが前走でも上位人気、もしくは上位の着順だった馬である。いわゆる「巻き返し」のきかないレースであるのは間違いなく、前走で「4番人気以内かつ4着以内」という結果を残しているのが、ここで好走するための必要条件といえるだろう。

 また、瞬発力勝負に必要不可欠な「末脚のキレ」が問われるレースであるのも、強く意識しておきたいポイント。それを見抜くために必ずチェックしたいのが、前走と2走前での上がり3F順位である。これが2走とも3位以内だった馬は、連対率25.6%、複勝率33.3%と高確率で好走。過去10年の勝ち馬のうち、8頭までがこれに該当している。あとは、外枠に入った馬のほうが好成績であるのも押さえておきたい。

 あとは、鞍上の乗り替わりが大幅マイナスであることや、浅いキャリアで出走までこぎつけた素質馬が強いレースであることも、取捨選択に欠かせない要所。特注推奨馬は、デビューからすべて上がり最速で無敗の桜花賞馬となった、デアリングタクトである。まったく面白味のない選択だが、ケチのつけようがない実績とプロフィルの持ち主。ここは素直に信頼すべきだろう。

【コース総論】東京芝2400m Bコース使用

・コースの要所!

★1番人気は高信頼度。配当妙味があるのは4〜6番人気と10〜12番人気あたりか。
★内枠有利&外枠不利の傾向。馬番1〜6番は回収値も高く素直に高評価すべき。
★上がり上位馬が好成績であるように差し優勢。中団待機組を重視したい条件。





 日本における「チャンピオン選定コース」である、東京芝2400m。ホームストレッチの坂を上りきったあたりがスタート地点で、最初のコーナー進入までは約350m。今週はBコースでの開催となるが、それでも幅員は十分にある。近年は馬場バイアスが極端になりがちだが、基本的には広々とした「紛れのないコース」といえる。

 それもあってか、1番人気馬は[11-6-7-11]で複勝率68.6%、複勝回収値97という素晴らしい結果を残している。フルゲート18頭に限定したデータであるのを考えると、これはかなり優秀な内容だ。配当妙味があるのは4〜6番人気と10〜12番人気で、こちらも内容はなかなか優秀。レースによっては、思いきってここから入るのもアリだろう。

 次に枠番だが、こちらは「内枠有利&外枠不利」の傾向が強い。平均人気差が大きく、内枠のほうが好成績で当たり前ではあるのだが、内枠である馬番1〜6番はその人気にキッチリ応えており、回収値もかなり優秀。対照的に外枠である馬番13〜18番は、低信頼度かつ低回収率である。外枠に入った馬は、人気でも過信は禁物だ。

 最後に脚質について。目立っているのが上がり上位馬の好内容で、イメージ通りに差し優勢といえそう。先行勢もけっこう踏ん張っているのだが、逃げた馬が1頭も勝てていないように、東京の長い直線を前で粘りきるのはかなり難しい。しかもオークスは、未完成な3歳牝馬限定戦。スタミナに不安を残す馬が多い一戦でもあり、中団でキッチリ折り合って末を伸ばせるタイプのほうが格段に買いやすい。

【レース総論】オークス(GI) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気の信頼度はコースデータ以上。基本的に順当決着傾向が強いレース。
★コースデータとは真逆で馬番13〜18番が好内容。脚質面はやはり差し優勢。
★好走例がキャリア4〜5戦に集中。前走レース別では忘れな草賞組が要注目。
★大一番らしく、継続騎乗組が圧倒的に強い。外国人騎手の好成績も目立つ。









 レースの平均配当は、単勝945円、馬連8990円、3連複1万1888円と、高くも低くもない平均値に近い数値。昨年は12番人気のカレンブーケドールが2着に食い込み、馬連2万5140円という高配当が出ている。しかし、近年で「荒れた」といえるのは昨年と2013年(9番人気メイショウマンボが1着)くらいのもの。堅く決まっている年も多く、波乱傾向は弱めといえるだろう。

 人気別成績を見ても、1番人気は[5-2-1-2]で勝率50.0%、連対率70.0%と超優秀。それとは対照的に、ふたケタ人気馬はトータル[0-1-0-87]と、前述のカレンブーケドール以外はすべて4着以下に終わっている。7〜9番人気はけっこう上位に食い込んでいるのだが、極端な穴狙いは避けたほうが賢明。高配当を狙うにしても、中穴重視の姿勢のほうが好結果を呼び込みやすいはずだ。

 枠番は、コースデータとは「真逆」の結果が出ている。内枠である馬番1〜6番は、複勝率こそ20.7%とトップながら、平均人気7.7に対して平均着順9.4と人気を大きく裏切る結果。単純に内外を比較したデータでも、明らかに外のほうが好内容なのだ。ひとケタ人気に限定したデータも用意したが、コレでも外枠が圧倒的に優秀。おそらくこれには、差し優勢のレース条件であるのが大きく関わっていると思われる。

 というわけで脚質データだが、最速上がり馬は[7-3-2-1]で連対率76.9%、複勝率92.3%という驚異的な強さ。もっとも速い上がりを使える馬が見抜ければ、このレースの馬券は獲れたも同然といえる。このレースで速い上がりが大きな武器となるのは、冒頭の「特注データ」でも解説した通り。スタミナに不安を残す馬が多いので、当然ながら折り合い重視となり、最後の直線での瞬発力勝負となりやすいのだろう。

 注目したいのがレースキャリア別成績で、近年はますます「キャリアが浅い馬のほうが高信頼度」という傾向が強まっている。昨年の優勝馬ラヴズオンリーユーも、キャリア3戦での挑戦でオークスを制覇。育成技術の向上や外厩の存在により、数を使わずに目標とするレースを目指すスタイルが確立されたのが大きい。勝ち負けになる馬のキャリアは、「多くても5戦まで」と考えたほうがいい。

 前走レース別では、当然ながら桜花賞組が馬券絡みした馬の大半を占めている。桜花賞で3着以内だった馬は、トータル[6-3-4-13]で連対率34.6%、複勝率50.0%と、その半数がオークスでも馬券になっている。ただし、桜花賞4着以下馬はトータル[1-1-1-50]と成績不振で、ここよりも「別路線組」を狙ったほうがオイシイ。出走数こそ少ないが、過去10年で3勝をあげている前走忘れな草賞組は、今年も要注目といえる。

 最後に騎手関連データ。ハッキリと「継続騎乗>乗り替わり」であり、大一番での鞍上のスイッチは大幅割引。好成績である外国人騎手への乗り替わりであっても、プラスに評価するには至らない。2018年には、鞍上が乗り替わる馬が過半数となる11頭を占めたが、それでもすべて4着以下。他によほど強い買い材料でもないかぎり、積極的には買いづらい騎乗パターンである。

【血統総論】


 血統面では、オルフェーヴル産駒とエピファネイア産駒をプラス評価の対象とした。ご覧の通りディープインパクト産駒もかなりの強さを見せているのだが、登録馬のうち9頭が該当と、ここを含めるとプラス評価の対象馬が多くなりすぎる。「意外に強い」という印象のオルフェーヴル産駒や、出走数は少ないがコース適性の高さは十分に感じられるエピファネイア産駒を、プラスに評価すべきと判断した次第である。

★特別登録馬 総論×各論

 桜花賞の2着馬レシステンシアの姿こそないが、それ以外の桜花賞上位馬はすべてここに駒を進めてきた。別路線組では、驚異的な末脚でスイートピーSを制したデゼルや、フローラSを好内容で勝ったウインマリリンが人気を集めそう。収得賞金900万円の馬は、このままいけば8分の2の抽選という狭き門となるが、それをくぐり抜けても今年の出走メンバーだと、かなり厳しい戦いを強いられるはずだ。

 トップ評価は、いたって素直にデアリングタクト。冒頭でも特注推奨馬にあげているように、ここは実績を素直に信頼すべきだと判断した。オークスで必要とされる高レベルな瞬発力の持ち主であるのは言うまでもなく、道悪であれだけの脚が使えるのだから、パンパンの良馬場ならばなおさら。折り合いも問題なく、血統面での裏付けまである。極端に前が止まらない馬場バイアスにでもならないかぎり、勝ち負け必至である。

 二番手評価も、これまで超順当にデゼル。キャリア2戦目となるスイートピーSを、後方から上がり32秒5という驚異的な末脚で突き抜けたのだから、モノが違うとしか言いようがない。まだまだ荒削りだが、それだけに伸びシロ十分。デアリングタクトを逆転できる可能性を秘めるのは、この馬だけだ。「浅いキャリアで駒を進めてきた素質馬」という好走条件にも、文句なしで合致。今度はどんな走りが見られるのか、本当に楽しみだ。

 三番手評価も、これまた順当にクラヴァシュドール。1勝馬ではあるが、牝馬クラシック路線で見せてきたパフォーマンスの高さは胸を張れるもの。桜花賞も、道中でスムーズさを欠いておきながら4着にくるのだから、本当に力がある。東京への輸送は経験済みで、父ハーツクライという血統から距離もこなせそう。逆転まではどうかだが、デアリングタクトに肉迫するような走りができて、何の不思議もない1頭といえる。

 以下はウインマリリン、サンクテュエール、スマイルカナ、ウインマイティー、スマイルカナという評価の序列。つまり「どこまでいっても順当決着」というのが、現時点での見立てである。さすがに1頭くらいは人気薄が絡んでくるかもしれないが、それもおそらくは7〜9番人気あたり。枠番はおろか出走馬すら決まっていない段階でも、今年の出走メンバーで昨年のような高配当決着はない──と断言したくなるほどだ。


■総論×各論・先々週の馬券回顧



方向性だけは合ってたんだが(#^ω^)ビキビキ

 テーマはもちろん「人気馬からのヒモ荒れ狙い」で、勝負馬券は03レシステンシア(2着)と02タイセイビジョン(4着)からの馬連流し。そして実際にそのパターンで決まったんですが……激走候補が大マチガイだったよね(悔恨)。18ウイングレイテスト、大外から一気の脚で伸びてくるかと一瞬は思ったんだけどなあ……。

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2010年以降が集計対象です。
※ギャップ値(G値)は、当該条件における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、優秀な内容となります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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