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05年総決算

  • 2005年12月26日(月) 23時51分
 12月29日、05年ダート交流Gもいよいよ総決算のときを迎える。大井「東京大賞典」。カネヒキリ回避にだけ目をつぶれば、中〜長距離路線、ひとまずフルキャストに近いだろう。今季GI・3勝を積み上げたタイムパラドックス、連覇を狙うアジュディミツオーが双方の主役を担い、JRA側はシーキングザダイヤ、ユートピア以下、円熟の古馬、対して南関東はシーチャリオット、ボンネビルレコード、フレッシュ3歳馬が脇を固める。好きな馬、応援したい馬を買うのが、グランプリの原則だが、あえて1つヒントというなら、乾燥続きでパワー優先の馬場状態か。昨年のアジュディミツオー2分02秒6(雪・重)のようなスピード決着にはなりそうもない。

東京大賞典(サラ3歳上 定量 交流GI 2000m)

◎シーチャリオット   (55・佐藤隆)
○タイムパラドックス  (57・武豊)
▲アジュディミツオー  (57・内田博)
△スターキングマン   (57・赤木)
△ボンネビルレコード  (55・的場文)
△ユートピア      (57・安藤勝)
△べラージオ      (57・松永)
 シーキングザダイヤ  (57・横山典)
 ナイキアディライト  (57・石崎隆)

 ともあれシーチャリオット◎は、思い入れ、気持ちが大きく入る。ただし、馬場の真ん中、それこそ別次元の脚で突き抜けた羽田盃、東京ダービー。ダーレー信者ではけっしてなく、むしろ逆の色眼鏡で見がちな記者だが、同馬に関しては「10年に1度の特別な馬…」、ごくごく素直に感嘆した。大井4戦4勝、右回りに絶対の自信がある。前走京成盃GM凡走は、文字通り叩き台でいいだろう。今回手替わりだが、佐藤隆騎手のキャリアと腕。減点材料ではいっさいないと判断する。

 タイムパラドックスは、ジャパンCダート、川崎記念、帝王賞、JBCクラシックとGI・4勝。今回大賞典制覇なら文字通りグランドスラマー、実績面ではアドマイヤドンを抜くことになる。そのわりに絶対感が薄いのは取りこぼしが多いためだが、すでに大井コースも鬼門ではなく、決めるときは決める、底力の勝負師タイプと納得か。いずれにせよ総合力で一歩リードは異論ない。アジュディミツオーは状態がすべて。前走ジャパンCダート大敗が何だったか。昨年圧勝。大井2000mでごくシンプルに速い、強いというなら、やはり同馬がNo.1だ。スターキングマン、シーキングザダイヤ、さらにユートピアの比較は微妙。能力自体は差がないとみて、コース適性重視の序列とした。ボンネビルレコードはここがいよいよ試金石。ホームの利を最大限に生かしたい。逃げ馬ナイキアディライトはいったんリズムを崩すと分が悪いか。遅咲きの良血べラージオが、補欠出走の強運を含めて穴。

       ☆       ☆       ☆

全日本2歳優駿(12月21日 川崎 サラ2歳 定量 交流GI 1600m 良)

◎(1)グレイスティアラ   (54・田中勝)  1分42秒3
 (2)アテスト       (55・小林俊)   3/4
○(3)モエレソーブラッズ  (55・五十嵐冬)  1/2
△(4)キングトルネード   (55・酒井)    2
△(5)エイティジャガー   (55・石崎隆)   2
…………………………
△(6)タガノエクリプス   (55・武豊)
▲(8)エイシンダンベリー  (55・福永)

単560円 馬複12,670円 馬単22,180円 3連複11,480円 3連単157,620円

 グレイスティアラの完勝だった。道中中団で折り合いをつけ、直線大外に持ち出す余裕。ゴール前100m、それこそひと呑みという切れ味で、着差3/4馬身以上にインパクトが強い。パドックから、2歳牝馬と思えない落ち着きと集中力。1600m・1分42秒3だからレベルはそう高くないが(同日1分41秒8=B3ブックオブケルズ)、心身両面、いかにも芯が通ったレースとみえた。13年ぶりGI制覇という田中勝J。「芝も走れると思うんですが…」のコメントはともかく、同馬自身の未来と選択肢は、これで大きく広がった。完成度がとにかく高い。

 アテスト2着は、予想上(馬券も含め)痛恨だった。小林俊J、インでじっくり脚をタメる好騎乗。前走、水沢・南部駒賞、モエレスターダム(今回10着)に競り負けた比較で、今回シルシが回らなかった。ただアテストは現実にダート[4-1-0-0]、フォーティナイナー産駒でパドックでも好馬体が目についた。予想とはやはり、基本的に“柔らかアタマ”が必要だろう。馬複、馬単、配当が大きいだけに、ショックと悔いが残っている。

 モエレソーブラッズは道中終始カカリ気味。4コーナー楽勝の手応えにもみえたが、そこから意外に伸びなかった。ブリンカー着用、前がソコソコ引っ張ってくれる流れが、現段階では理想になるか。ただし、馬体、血統…大器の雰囲気は持っている。JRAタガノエクリプス、エイシンダンベリーは、結果的に買いかぶりかもしれず、さらに1〜2度競馬をみないと評価しづらい。南関キングトルネードの4着。意識的な待機策で自身1分43秒0なら収穫だが、先着3頭とは瞬発力に少し差がある。同馬の前を行くアタゴハヤブサ、グッドストーン、本来はこの2頭が力試しをしてほしかった、そうも思う。ともあれグレイスティアラは、交流に変わって9年、初の牝馬優勝になる。来春Gロードは、まだ混沌というしかない。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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