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王者を証明・アジュディミツオー

  • 2006年01月30日(月) 23時51分
 1月25日「川崎記念」。アジュディミツオーが接戦を制し、昨暮れ東京大賞典に続くGI連覇、同時に3つ目のタイトルをモノにした。好枠(2番)から迷いのない逃げ。道中終始気分よく飛ばし、後続に3〜4馬身のセーフティリード。自身のフォームでありスタイルだから、こうなれば負けられない。ただ直線入口、サカラートに並ばれシーキングザダイヤに並ばれ、一瞬危うしと思わせたのは、正直筆者などには意外だった。直前の大雪。追い切りを1日ずらした経緯もあり、あるいは調整に微妙な狂いが生じていたか。ともあれミツオーは、あと100mでもう一度伸びている。粘り通した、競り勝った、そういうクビ差。圧勝ではないとしても完勝だとはやはり思う。

川崎記念(サラ4歳上 定量 交流GI 2100m 稍重)

◎(1)アジュディミツオー  (57・内田博)  2分12秒8
○(2)シーキングザダイヤ  (57・ペリエ)  クビ 
▲(3)タイムパラドックス  (57・武豊)   1.1/2
△(4)サカラート      (57・後藤)   1/2
△(5)チョウサンタイガー  (57・酒井)   1
 ………………
△(6)ウツミジョーダン   (57・石崎隆)
△(7)ノボトゥルー     (57・ルメール) 

単270円  馬複270円  馬単570円
3連複280円  3連単1,070円

「速いなあ、そんなに行くなよという感じ。御しきれなかった。それでも最後頑張ってくれるんだから本当に凄い馬。勝たせてもらった、今日はそういうレースでしょう」(内田博騎手)。鞍上のいう“速い”は、なるほど1000m通過60.5秒、およそ川崎2100mらしからぬハイペース。結果、タイレコード(04年エスプリシーズ)の2分12秒8。惚れた弱みかもしれないが、アジュディミツオー、この日レース前からパドックの馬っぷり、返し馬の動きなど、筆者の見てきたダート王者、どれと比較しても“ヒーローらしさ”で群を抜く。豪快かつ軽快、柔らかかつダイナミックな馬体と走法。川島正行調教師は次走を「フェブラリーS」と、勝利インタビューの場で明言した。となると、課題は激戦になったときの瞬発力、切れ味か。ミツオーは本質的に逃げ馬の気質と思う。ただデビュー3戦目で重賞勝ち、4戦目で東京ダービー制覇。とにかく数々の“サプライズ”を体現してきた。今回も川崎初コースをあっさりクリア。心身とも、まだまだ成長中と判断したい。

 シーキングザダイヤは、これで6度目のGI・2着。新記録ということらしい。ミツオーとのデッドヒート、一瞬外に弾かれるシーンもあり(審議)、内容とすると五分にとれる。何とも運がないが、パワーと地力は十分にアピールしたか。タイムパラドックスは、中団から直線勝負で自分の競馬。「ペースが速いと思ったし、あれで逃げ切られれば勝ち馬が強い」(武豊騎手)。3着確保ならひとまず妥当な結果と考える。本質的に少し時計のかかる馬場がベターだろう。サカラートは勝ちパターンの2番手追走から、直線ひと息伸びを欠いた。同様のレース運びで圧勝だった昨秋日本テレビ盃(船橋)。あるいは季節、気候で、体調が大きく揺れるタイプかもしれない。チョウサンタイガーはひとこと善戦。初のGI、厳しい流れをしぶとく伸びて5着なら先につながる。

       ☆       ☆       ☆

金盃(2月1日大井 サラ4歳上 ハンデ 南関東G2 2000m)

◎ルースリンド     (53・佐藤隆)
○ボンネビルレコード  (55.5・的場文)
▲ベルモントストーム  (55.5・石崎駿)
△ウエノマルクン    (55・鈴木啓)
△クールアイバー    (55・森下)
△メイプルエイト    (55.5・張田)
△トウケイファイヤー  (55・内田博)
 コアレスハンター   (57・安藤光)
 インターセフォー   (53・石崎隆) 
  
 ムードと人気は4歳馬。しかし昨秋〜暮れ、一連の重賞ロードを冷静にふり返ると、ノータイムで飛びつけない部分もある。ボンネビルレコードはまだ全体に発展途上、メイプルエイトはダービーGP取り消し以後もうひとつリズムが悪い。トウケイファイヤーも前走復帰初戦に1200mを使った(2着)ステップがどう出るか。予想と馬券、ひとまず「何でもあり…」とイメージした。

 上昇馬ルースリンドを狙う。JRA未勝利から転じ、南関東[10-1-1-0]はまさしくミラクル。強靭な末脚と勝負根性がセールスポイントで、前々走大井初コース(JRA交流)の勝ちっぷりも素晴らしかった。エルコンドルパサー×デピュティミニスター、のびやかかつ弾力のある好馬体。地方ダート適性はもちろん、何よりスタッフ(船橋・矢野厩舎)の腕が大きいというべきだろう。鞍上・佐藤隆Jは今季快調。南関リーディング3位につけ、連対率4割5分と、内田博Jまでも上回る。重賞初挑戦だが、距離2000mはうってつけ。軽ハンデも後押しする。

 ボンネビルレコードはここをすっきり勝って初めて本物と考えた。メイプルエイト、トウケイファイヤーは、状態、臨戦過程に疑問が残り、それなら昨年2、3着、クールアイバー、ウエノマルクンの方に、馬券的な妙味があるか。ベルモントストームはここが再び正念場。個人的に好きな馬だが、前走オールスターカップ2着は完敗で、本質的に2000m適性がどうかということ。いずれにせよ3連単は難しく、ルースリンドから馬複、馬単で買ってみる。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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