▲宇野木数徳さん、1942年12月3日生まれの78歳(撮影:高橋華代子)
「78歳からの再スタート」
3月31日付で、浦和競馬場の宇野木数徳さんが調教師生活に幕を下ろし、今後は息子さんの宇野木博徳厩舎の厩務員として、再スタートすることになりました。
宇野木さんは熊本県出身の78歳。親戚は競走馬の生産を行っていたそうで、自身も馬好きが高じて高校時代に馬術部へ入部し、国体などに出場。埼玉県の馬主さんが親戚の牧場と付き合いがあったことから、浦和競馬場の騎手の道へ進むことになったそうです。
騎手を13年、調教師は47年、ホースマン生活約60年。1998年の関東オークスでは管理馬シバノコトエで重賞を制覇。
生き物は何が起きるかわからないからと、厩舎の上で寝泊まりをし、朝1時には起きて、厩舎作業などを行う日々を過ごしてきたそうです。
「無理をして起きている訳ではなくて、自然と目が覚めるんですよ(笑)。馬は生きた芸術品で、本当に魅力的な生き物だと思います。奥が深いからこそやりがいがありますね。馬は家族と一緒なので、もう離れられません。本当にかわいいです」(宇野木さん)。
最後のレースは管理馬2頭出しで、息子の博徳調教師の計らいから、その愛馬たちと、ご家族、関係者の皆さんで、最後の記念写真を撮影しました(口取り撮影時のみマスクを外しています)。
▲最後のレースに出走した管理馬(コウユープリプリとツクバフタツボシ)も入って、ご家族、関係者との記念撮影(写真撮影時のみマスクを外しています)」(撮影:高橋華代子)
「皆さんには長い間お世話になりました。胸がいっぱいで感無量ですね。悔いのない調教師生活を送ることができました。浦和競馬場は第二の故郷です。これからも体が続く限りは、馬たちのお手伝いをしていきたいです」。
宇野木さんは普段から年齢を感じさせない若々しい姿が印象的だったので、今回改めて78歳という年齢をお聞きして、本当に驚きました。最後にその若さの秘訣を教えて頂きました。
「自分の哲学に、『元気のまま終わりたい』というのがあります。ずっと元気でいたい気持ちが強いので、毎日2、3キロのランニングや腹筋も60回はやっています。寝る前には、その日に起きたちょっとでも楽しかったことを振り返るようにしています。残された時間は限られているので、楽しい気持ちで過ごしながら生きていきたいんですよ」。