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【皐月賞予想】内を避けるほどにはならないと見る

  • 2021年04月17日(土) 19時00分
毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。

 土曜の中山は雨予報が出ていたが、降り出したのは中山グランドジャンプ発走前の午後3時半前。レース時間帯の馬場変更はなく、良馬場で終日行われた。雨は午後4時頃から本降り。午後5時30分段階で「良」から「稍重」に変更となっている。

 土曜は、芝競走は4鞍施行(障害レースは除く)。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「1番手、7番手、1番手、2番手」と前の組が活躍した。確かに3〜4コーナー、直線の内寄りの傷みが進んでいるが、土曜に限れば、完全に内を避けて通る感じでもなかった。

 7R・4歳上1勝クラス(芝外回り2200m)を4コーナー先頭で勝った1番人気アラタ(父キングカメハメハ)は4コーナーで多少内を空けつつ回ったが、残り1Fからは内ラチ沿いを粘り込んだ。2着ヒューマンコメディ(父ハーツクライ)は4コーナー2番手で「行った、行った」の展開。レース前半5F62秒8〜同後半59秒0のスローなので、前が残る展開は確かなのだが、騎手心理としてはまだ内寄りを走れるのが土曜の印象だった。

 ただ、問題は土曜レース終了後の天気。土曜夜に船橋市は雨が強くなる予報が出ている。雨は日曜午前2〜3時に上がり、日中は好天。予想最高気温は21度と高く、急速に乾く可能性は十分ある。

 昨年の皐月賞は土曜時点で「不良」まで悪化し、レース中に内寄りの傷みが進んだことで、皐月賞は「稍重」まで回復したが内を避ける馬が日曜は多かった。今春の中山は雨の影響を受けてきたが、幸い土曜のレース時間帯の雨量は少量で、内寄りの傷みが進展しなかったのは幸いだったと思う。

 日曜の1R時点では芝は「重」あたりからスタート。日曜の芝競走は、午前中は4Rだけ。その後は8Rと間隔が空く配慮があり、芝の悪化自体は土曜並みかもしれない。ただ、時計は適度にかかるだろう。内寄りをまだ通れる馬場なのか?それとも、完全に外差しになってしまうのか?レース当日、ぜひチェックしていただきたいと思う。

 ゴールドシップが優勝した年のように各馬が傷んだ内寄りを避ける余り、内がポカッとあくケースは雨上がりの馬場では時にあるが、個人的にはそこまでの馬場悪化はないと見ている。

 雨が残った際にプラスになるのは実際に道悪のスプリングSを勝ったヴィクティファルス、不良のサウジアラビアRCを勝ったステラヴェローチェ。

 逆に人気馬ではダノンザキッドは実際に軽い瞬発力がある分、馬場悪化は歓迎しないクチかもしれない。

 いずれにしても、日中は好天なので、意外に乾いて「良」まで回復する可能性もあり、皐月賞と同舞台で行われる9R・鹿野山特別をチェックしていただきたいと思う。

スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。04年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、09年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。15年は宝塚記念で3連単52万馬券がヒット。馬券相性は京都、阪神が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。

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